【話題作試し読み】『ヤンキーJKクズハナちゃん』 今一番カッコよく、かわいいヒロインを見逃すな!

多くの男子が一度は夢見たことがあるだろう「ハーレム」という楽園。しかし、実際に男子が自分ひとりだけで、その他の全員が女子の学園に入学したとしたら、バラ色の日々は待っているだろうか? 男女比率「1対359」の茂手城高校に通う唯一の男子生徒・早乙女穂高の日常を見てみると、どうやら単純に「うらやましい」と言えるものではないようでーー。
「週刊少年チャンピオン」で連載中の人気漫画『ヤンキーJKクズハナちゃん』(宗我部としのり)は、そんな主人公と最強ヒロイン「クズハナちゃん」を軸に展開する、見どころ満載の学園ラブコメだ。本稿では人気の秘密が凝縮された第一話を掲出するとともに、その魅力を伝えたい。
『ヤンキーJKクズハナちゃん』第1話
冒頭から際立つのは、純粋で優しい主人公・早乙女の不憫さ。数の暴力で女子にいじられ、からかわれ、ゆすられて……と散々な状況だ。読者にとっては「ラッキースケベ」なサービスシーンも、早乙女からするとさらに肩身が狭くなるアクシデントでしかなく、入学して2ヶ月、小悪魔のような女子高生たちに怯える日々を送っていた。
そもそも早乙女が元女子校の茂手城高校に進学したのは、女子に囲まれた学園生活を送りたかったから……では全くなく、家業でもある裁縫を学べる服飾科があるから。そんな切実な目的があっても、でっち上げのセクハラ動画をネットでばら撒くと脅され、ついに退学することを決意。そんな時、颯爽と登場するのが孤高のヤンキーJK “クズハナ”こと九頭竜華子(くずりゅう・はなこ)だ。
金髪にややぶっきらぼうな言葉遣い、長身でいかにもケンカが強そうな「ヤンキー」な彼女。しかし曲がったことが嫌いで、不器用ながら芯に優しさがあり、窮地に追い込まれた早乙女に救いの手を差し伸べる。早乙女の知り合いかと聞かれれば「知らねーよ こんなスケベ野郎」とそっけないが、続く言葉は「ただ オンナ使って卑怯なマネしてんのが気に入らねえだけだ」と熱い。
これだけでもそのカッコよさに惚れる読者は多そうだが、第一話から存分に発揮される「ヤンキー」というイメージとのギャップが、“沼”と呼ぶほかない魅力を放っている。
女子軍団と一触即発の空気になり、止めに入った早乙女を間違って殴ってしまったクズハナ。そこで開き直るでもなく、ちゃんとシュンとして反省する姿が可愛らしい。助けに入るのが遅かったのは「(早乙女と女子が)いい雰囲気」だと勘違いしていたからで、やはり優しさが透けて見える。女子たちにいいようにされてきた早乙女は、そんな姿に感動。モジモジしているところをクズハナに詰め寄られて、思わず「キミが一番女のコらしいな…って!!」「カワイイなって思っただけ!!!」と告げると、彼女は全身を真っ赤にして照れながら、「またさっきみたいなことがあったら 尋ねてきな」と言い残して去っていくのだった。
一匹狼タイプながら女子たちにも一目置かれている彼女の存在は、何かあった時に早乙女を救う「特効薬」というだけでなく、学園に友だち(ヒロイン)を増やしていく「栄養」にもなっていくのが面白い。早乙女はクズハナに支えられながら、得意な裁縫というスキルも活かして、女子たちとの関係性を徐々に改善。魅力的なヒロインが増えていくごとに目移りしてしまうが、多くの読者は“クズハナちゃん”を推し続けるのではないか。
いま一番カッコよくて、愛らしいヒロインが活躍する『ヤンキーJKクズハナちゃん』。サービスシーンを楽しみにするのもいいが、波乱万丈のラブコメとしてオススメしたい作品なので、未読の方はぜひ第一話からチェックしてみよう。