ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』藤ヶ谷太輔、のんらの“高度”な会話の演技が話題 原作との比較から考察

『幸せカナコ』藤ヶ谷太輔のセリフは一言?

 DMM TVで配信中のドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』での藤ヶ谷太輔の演技がファンだけではなく、多くの視聴者から高い評価を受けている。

 『幸せカナコの殺し屋生活』は、若林稔弥による日本の4コマ漫画作品が原作。4コマでありながら、物語はしっかりとしたストーリー性を持っている。ブラック企業でのパワハラに悩まされていた、のん演じる主人公・カナコが退職を決意する。新しい就職先で殺し屋になることを言い渡され、“ホワイト”な業務の中で不思議と輝きを取り戻していく姿が描かれる。

 そんなカナコの先輩であり、相棒と言えるのが桜井。初対面から「俺の邪魔をしたら殺す」と言い切る粗暴さを見せつつ、徐々に殺し屋としての能力を認め、信頼関係を深めていく。原作マンガでは豪快なカナコの突っ走りっぷりと、温かく見守る桜井が、殺し屋という非日常世界にありながら、微笑ましくさえ見えてくるが、ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』ではより“高度”な会話を楽しむことができる。

 前述の桜井を演じているのが藤ヶ谷太輔。原作との最大の違いがセリフの少なさ。原作では桜井はカナコに厳しい言葉ながらも声をかけたり、指示を飛ばしている。しかし、ドラマではそれらのほぼすべてが「殺すぞ」に集約しているのだ。

 藤ヶ谷いわく、「少なければ少ないほど面白いんじゃないか」という考えから監督にセリフを減らすことを提案したとのこと。あらゆる状況を短い言葉の中に詰め込み、カナコに対する思いの変化を繊細に演じ分けている。

 カナコが次から次へと言葉を紡いでいくキャラクターであるのとは対照的に、桜井は「……」が大半となっている表現が難しい役どころ。そんな中でも、藤ヶ谷は目線や表情、眉間のわずかシワなどを生み出すことで、細部の演技に気を配っている。例えば、カナコと最初に顔を合わせるシーンでは原作さながらの刺すような鋭い表情を見せてくれる。しかし、次第にカナコの殺し屋としての能力を認め始め、表情だけではなく声色でも「こいつやばい(すごい)」という感情が読み取れるようになっていく。

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