知る人ぞ知るマンガを世に送り出すーー『マンガ図書館Z』爆速で再始動の背景は?
マンガ図書館Zの志が伝わった
──で、2月5日にクラウドファンディングを開始したら、24時間で目標額を達成したということですね。
乙川:大変ありがたいことにすごい速さで目標に到達しまして、現在は達成率270%まで届いています。3月の31日まで受け付けていますので、このまま推移すれば目標額の3倍くらいまで到達できそうです。
──それほどの支持をマンガ図書館Zが集めた理由について、お考えはありますか?
乙川:多くのマンガは読むことも見つけることも簡単になった時代ですが、メジャーなマンガに比べると、一世代前のマンガ、一部の読者にしか読まれなかったマンガなどが読める機会はまだまだ少ないです。マンガ図書館Zの、「そういったマンガを世に送り出そう」という志が伝わったのではないでしょうか。また、マンガ図書館Zには少年漫画少女漫画、TL、BL、アダルト作品など、ジャンルに区別なく作品を揃えているという強みがあります。こういった独自性も、幅広いご支持につながったと思います。
──ここで集まったお金というのは、再開後にどのような使い方をする予定なのでしょうか?
乙川:再開用の費用、あとはほぼ経費になるかと思います。作家さんに還元する費用として使わせてもらう割合が多いですね。ただ、基本的に現時点ではうちの人件費がカバーできてないんです。
──一大変じゃないですか。
乙川:ただ、人件費に関してはサイトを再開して回していけば、そこも取り戻していけるだろうという目処は立っています。正直に言えばまだ不安要素はあるんですが、ファンの皆さんの応援もありますし、動き出せば回っていくのではないかと思っています。
──サイト再会後に追加される新サービスや、さらに遠いタイミングで導入を考えている要素はありますか?
乙川:まだ再開を優先している段階ですので具体化している企画はありませんが、サイトリニューアルも計画していますので、それに合わせて新しい展開も検討しています。
──以上の状況を踏まえて、読者の方にお願いしたいことなどはありますか?
乙川:そうですね……やっぱり、まずは「マンガ図書館Zでマンガを読んでください」ということを第一にお願いしたいです。広告モデルのビジネスという側面もあるので、まずは読んで応援していただくというのが一番ありがたいですね。マンガ図書館Zでしか読めない作品もたくさんありますし、他のストアさんとはちょっとスタンスの違うサイトなので、ぜひ読みにきていただいて作家さんを応援していただければと思います。
──ユーザーが読みに行くことが、まずは一番大事ということですね。ちなみに、マンガ図書館Zで配信されている作品で、乙川さんが推したい作品はどんなものがありますか?
乙川:スタッフによってオススメは変わりますので、これはあくまで私個人のオススメという前提になりますが、以下7作挙げさせていただきます。なかなか絞るのが大変ですが……!
「交通事故鑑定人 環倫一郎」
原作:梶研吾先生、漫画:樹崎聖先生の交通事故を題材としたミステリー漫画で、車の見せ方にもこだわった、車愛も深い漫画になっています。
「BOOM TOWN」
青春物からハードSFまで描き分ける内田美奈子先生が1992年に描かれた、今でも色褪せないサイバーパンク漫画です。
「君は僕の太陽だ」
死去した兄の子たちと暮らすことになった女子大生が主人公で、感情が交錯していく様子に引き込まれます。車にも造詣が深い東城和美先生は「フェラーリ乗るのは100年早い」という試乗レポート漫画もあります。
「人形はこたつで推理する」
原作:我孫子武丸先生、作画:河内実加先生の、幼稚園教諭、腹話術師、意思を持った人形という不思議な関係の三人が事件を解決していくミステリーです。
「GIVE ME たまちゃん!」
永野のりこ先生のハイテンションなギャグに、無理やり心を掴まれます。
「常習盗賊改め方 ひなぎく見参!」
可憐な絵柄が素敵な桜野みねね先生のマンガですが、掲載誌の休刊などで中断があり、マンガ図書館Zで続編を掲載させていただきました。
「ハムレット」
故みなもと太郎先生の、ハムレットを原作とした怪作です。
──たくさんオススメの作品を教えていただき、ありがとうございます。サイトが再開して、これらの作品を読めるようになるのを楽しみにしています!
■関連情報
マンガ図書館Z
https://mangaz.com/
「マンガ図書館Zは帰って来る!」サイト再始動プロジェクトはこちら!
https://motion-gallery.net/projects/manga-toshokan-z






















