『SAKAMOTO DAYS』人気の理由は“少年漫画のトレンド”の妙 『葬送のフリーレン』『銀魂』との共通点を考察

2010年代以降のジャンプ漫画は、同時期に別冊少年マガジンで連載され大ヒットした少年漫画『進撃の巨人』(講談社)の影響もあってか、謎に満ちた世界観を精密に作り込んだ壮大なスケールのストーリー漫画を、ジャンプが得意とするバトル漫画の枠組みの中で、どのように展開するか? という試行錯誤がおこなわれてきた。
そんな中で大きな成果となったのが、昨年完結した『僕のヒーローアカデミア』と『呪術廻戦』だったのだが、『進撃の巨人』も完結した現在、次の少年漫画のトレンドとなりそうなのが「大きな戦い(戦争)が終わった後の世界」を描いた物語だ。
言い換えるとそれは「戦いで失われた日常をいかにして取り戻すか?」というテーマを描くということでもある。
現在、週刊少年サンデーで連載されている、魔王を倒した後の日常と冒険を描いた『葬送のフリーレン』(小学館)は、その期待にもっとも応えているファンタジー漫画だが『SAKAMOTO DAYS』もまた、元・殺し屋が日常を取り戻す物語が展開されている。
残念ながら、殺し屋を辞めて家族と何て事のない日常を生きようとした坂本は、殺し屋から命を狙われ、逆に「日常を守る」ために新たな戦いに巻き込まれていく。だが、坂本は自分を殺そうとしたシンたち殺し屋を坂本商店の店員として雇い、仲間として受け入れていく。実はここに本作の隠された魅力がある。
本作の日常パートはあっさり描かれており、あくまで見せ場はアクションバトルだ。だが、これから本作がより幅広い客層を掴めるかどうかは「日常を取り戻す」というテーマを深く掘り下げられるかどうかにかかっているのではないかと思う。
アニメ版は、そんな本作の魅力を的確に掴んでおり、アクションと日常を同時に描こうとしているように感じた。
■放送情報
『SAKAMOTO DAYS』
テレ東系ほかにて、毎週土曜23:00〜放送
テレ東系ほかにて、7月より第2クールスタート 毎週月曜24:00〜放送
Netflixほか各プラットフォームにて配信予定
キャスト:杉田智和(坂本太郎)、島﨑信長(朝倉シン)、佐倉綾音(陸少糖)、東山奈央(坂本葵)、木野日菜(坂本花)、鈴木崚汰(眞霜平助)、花江夏樹(南雲)、八代拓(神々廻)、早見沙織(大佛)
原作:鈴木祐斗(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:渡辺正樹
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:森山洋
制作:トムス・エンタテインメント
オープニング・テーマ:Vaundy「走れ SAKAMOTO」(SDR/Sony Music Labels Inc.)
©鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS 製作委員会
公式サイト:https://sakamotodays.jp
公式X(旧Twitter):@SAKAMOTODAYS_PR
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@sakamotodays_pr
























