“声優新幹線”がファンを魅了!? 「声優グランプリ」×JR東海による斬新すぎたイベントをレポート
声優雑誌とコラボ、声優新幹線を運行
声優雑誌「声優グランプリ」とJR東海が企画した“声優新幹線”が11月30日に運行された。幕張メッセで開催される「声優グランプリ」30周年記念イベント「声グラ FES.」に合わせて運行されたもので、チケット争奪戦に当選したファンが新大阪駅から東海道新幹線に乗り込み、東京駅までの2時間27分の旅を楽しんだ。
「声優新幹線」は、東海道新幹線の開業60周年と声優雑誌「声優グランプリ」創刊30周年の特別企画として運行されたもので、1編成(16両)を丸ごと使用。車内では人気声優約10名による録り下ろし音声の車内放送が流れるほか、5名の声優がJR東海の新幹線乗務員の制服を着て乗り込んだ。
5名の声優は、『ブルーアーカイブ The Animation』伊草ハルカ役などで知られる石飛恵里花さん、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』朝香果林役などで知られる久保田未夢さん、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』天王寺璃奈役などで知られる田中ちえ美さん、『BanG Dream!』今井リサ役などで知られる中島由貴さん、『ラブライブ!スーパースター!!』嵐千砂都役などで知られる岬なこさんである。
乗車前からファンの熱気が最高潮に
列車の発車前は、ファンが今回乗車する声優のアクリルスタンドや、演じたキャラクターの“寝そべり”ぬいぐるみを手に写真を撮影する光景も。また、“推し”のたすきをかけて乗車する熱量の高そうなファンも見受けられた。
“団体”仕様の「のぞみ360号」は12時に新大阪駅のホームから出発。新幹線が動き出すと、「声優新幹線にご乗車の皆様、こんにちは~!」と5人の声優から挨拶があり、ファンの間からも歓声が上がった。
その後、各車両を声優が回って“グリーティング”を実施。特に、グリーン車では声優から限定グッズなどの特典が直接手渡しされるとあって、大好評であった。ファンは声優に応援のメッセージを伝えるなど、交流を楽しんでいた。
さらに、5人の声優が思い思いのトークや、新幹線にまつわるクイズなどに回答する“新幹線ラジオ”を2回にわけて放送。このラジオ、録音ではなく実際に車内で放送していたのだから凄い。ここでしか聴けないラジオにファンは聞き入っていた。
次は男性声優の声優新幹線を希望する人も
乗車後、SNSで声優新幹線の感想を見てみると、かなり満足度が高いイベントだったことは間違いない。新幹線車内ということもあり、通常の握手会やお渡し会などより格段に距離が近かったことを指摘するファンもいた。しかも、至近距離で憧れの声優と話ができたのは、ファンにとって至福の時間だったのではないだろうか。
一般的に、鉄道の旅といえば、車窓の景色や行く先々の名所などが旅の目的になる。今回の声優新幹線は“声”で乗客を楽しませた点で、画期的な試みだったといえる。最近は博物館や美術館でも、音声ガイドのテープに人気声優を起用しているケースが目立つ。声のポテンシャルは想像以上に高いのである。
また、今回は女性声優が乗車したが、「次は男性声優で」と希望するファンもSNSでは多数見られた。何より、新幹線の車内は気密性が高い空間ということもあって、音響が想像以上に良い。こうした試みが継続すれば、移動時間もエンタメになるような旅行の企画が次々に誕生しそうである。