【推しの子】いよいよ最終話までカウントダウン ルビーとアクア、“兄妹”の絆シーンを振り返る
アニメ2期の完結と同時に、3期の制作決定と「週刊ヤングジャンプ」で連載中の原作漫画が残り4話で完結することが明らかになった『【推しの子】』(赤坂アカ/横槍メンゴ)。本作の主人公・アクアとルビーは、雨宮吾郎と天童寺さりなが伝説のアイドル・星野アイの子どもに転生した姿だが、2人とも転生前の記憶が残っていたり、アイをはじめ大切な人の死を真近で経験していたりと共通点も多く、独特の絆がある。本作でこれまでに描かれた2人の絆エピソードをピックアップして紹介しよう。
兄妹2人3脚でトップアイドルを目指す
アクアとルビーの兄妹愛について考える際、忘れてならないのが、母でありトップアイドルだった星野アイの死だ。特にアクアは、アイが所属していたアイドルグループ・(旧)B小町の東京ドーム公演当日、熱狂的なファン・リョースケにアイが刃物で刺される瞬間を目撃し、息途絶える最期の瞬間も目的している。アイが血まみれで息絶えるシーンは、アクアにとって大きなトラウマとなっており、以降様々なエピソードでこのシーンが繰り返し登場している。さらに、アクアが幼少期の長い期間カウンセリングに通っていたことも、映画『15年の嘘』の監督、五反田泰志によって明かされている。
ルビーはアイが息絶える瞬間をドア越しに目撃、最期の言葉も聞いている。アイは死に際、ルビーがアイドル、アクアが役者になるんじゃないかと発言。以降、ルビーはアイドルになることを決意し、「B小町」を復活させる。当初、アクアはルビーがアイドルになることに反対していたが、最終的に彼女のサポート役として各所に根回しを行い、デビューできるよう誰よりも動いていた。これは、2人がアイの死に際を目撃し、その最期の言葉を直接聞いたからこその絆と言えるだろう。
特に、アクアは有馬かなやMEMちょを新生B小町のメンバーに勧誘するシーンで、彼女たちの性格に合わせた言葉で心を捉え、加入させている。その人心掌握の手腕たるや、後のエピソードでカミキヒカルからも、アイや自分と同様「嘘つきの瞳」を持ち、他人を目的のため利用してきたのではないか?と指摘されたほどだ。アイの死によって「アイドル」を目指したルビーと、妹をアイドルにするために周囲の人間を誘導し利用しつくすアクア。ある意味、これ以上に強い兄妹の絆はないと言えるだろう。