アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」表紙違いの限定版登場 写真集やアイドル誌の手法は奏功するのか?

アニメ雑誌「月刊ニュータイプ」表紙違いの限定版登場 写真集やアイドル誌の手法は奏功するのか?

■「月刊ニュータイプ」表紙違いで中身は同じ!?

 アニメ雑誌の「月刊ニュータイプ」(KADOKAWA/刊)は、10月10日発売の11月号を、通常の書店流通のバージョンとは別に、表紙のデザインを変更した特別版を「TSUTAYA」で限定発売する。通常版は『らんま1/2』が表紙だが、限定版は『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』(以下、ロシデレ)の表紙になっている。

通常の書店で販売されている『らんま1/2』バージョンの表紙。乱馬とあかねが描かれている。
TSUTAYA限定版となる『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』バージョンの表紙

 10月5日に放送が始まった『らんま1/2』は『MAPPA』、2期の制作が決定した『ロシデレ』は「動画工房」の制作。ともにSNS上でも人気の高い、有名スタジオの話題作である。限定版のアーリャさんの絵を描いたのは、過去にリアルサウンドブックでインタビューも行っているアニメーター・室田雄平である。

 なお、11月号は『らんま1/2』を巻頭特集するほか、B2の両面ポスターも付属する。そして、『ロシデレ』は大特集という扱いで、こちらも記事が満載。久世政近役の天﨑滉平とアーリャさん役の上坂すみれの対談のほか、伊藤良太監督などスタッフ陣のインタビューも掲載され、B2ポスターも付属するという。

■雑誌が特定店舗用に「表紙」を作るのは珍しい

 雑誌が特定の店に限ってポストカードなどの特典をつけることはよくあるが、別バージョンの表紙をわざわざ作るのは珍しい。編集部の発表によれば、表紙以外の本文はまったく同じという。TSUTAYAが近所にない『ロシデレ』ファンにとっては悩ましいことになりそうだが、雑誌の売り方に一石を投じる興味深い試みである。

 2015年に発売された村上春樹の自伝的エッセイ『職業としての小説家』は、新刊の9割を紀伊國屋書店が買い取り、その大半を自社限定で流通させると決めて話題になった。この紀伊國屋書店のケースはかなり思い切った試みであるが、今回の「月刊ニュータイプ」のように、雑誌を書店によって表紙違いで出す売り方は今後も続きそうな気がする。

 本だけではなく、雑誌もいわゆるプレミアムな存在になり、コレクションアイテム化が進むのかもしれない。何はともあれ、『ロシデレ』ファンは発売日にTSUTAYAに足を運んでみてはいかがだろう。

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