令和版「らんま1/2」お色気シーンは封印? 平成版との比較からみるコンプラ意識の変遷
■名物の“お色気描写”は封印か
10日5日深夜、高橋留美子の名作漫画『らんま1/2』のリメイク版のアニメが放映された。アニメを制作したのは『呪術廻戦』などのアニメを手掛けたMAPPAであり、しかも早乙女乱馬(男らんま)役の山口勝平や、らんま(女らんま)役の林原めぐみなどの旧作と同じレジェンド声優が同じキャラを演じるとあって、話題を呼んでいた作品である。
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さて、旧作のアニメのファンが気にしたのは「お色気シーンはどこまで再現されるのか?」という点であった。というのも、漫画もそうであるが、旧作のアニメはなかなか際どいシーンが多いのである。らんまの裸がゴールデンタイムに放送されていたというのが今となっては驚きだが、当時は表現がおおらかな時代であった。
旧作ファンが固唾を飲んで見守ったところ、やはりというか、“直接的”なお色気シーンは封印されてしまった。昔はお色気を堂々とゴールデンタイムに放送していたのに、新作は深夜アニメにもかかわらず待ったがかかったようだ。テレビ業界、アニメ業界のコンプライアンス意識の変化を感じられずにはいられない出来事だった。
とはいえ、Xで視聴者の声を拾ってみると、アニメ自体はおおむね好評だったといえる。記者は原作1巻を片手に視聴していたが、セリフも含め、かなり原作に忠実であった。さらに、らんまと天道あかね、乱馬と早乙女玄馬の格闘シーンなどはしっかり描かれていて、手に汗握るものがあった。パンダになった玄馬の動きもコミカルで愛嬌が感じられた。
■どの話がリメイクされる? 今後の注目ポイント
その一方で、古参のファンの間では旧作の方を評価する声もある。旧作のほうが背景の描き込みがしっかりしているとか、絶妙な表情の描写が巧みであるなどの声だ。前作は当然、セル画全盛の時代に制作されたものであるが、キャラクターの線の描き方に勢いがあって、デジタルにはない魅力があると評する声もある。
今後、旧作で制作されたどの話がリメイクされるのかに注目が集まっている。個人的にはハワイかぶれで生徒に嫌がらせばかりする風林館高校の九能校長が登場する回や、乱馬と八宝斎が銭湯でバトルを繰り広げる話『いい湯だな?銭湯で戦闘』の回がリメイクされることを期待したい。
特に、戦闘の話はらんまのお色気シーンが連発するだけでなく、八宝斎のちょこまかとした動きや、銭湯にある様々な道具を武器にしてバトルする展開がコミカルで楽しい作中屈指の名作だと記者は考えている。この記事を読んでいる古参のファンなら、きっとお気に入りの話があるはずだ。あのゲストキャラは登場するのかなど、妄想を膨らませながら過ごすのもいいだろう。