『ヒロアカ』はなぜヒーロー漫画の金字塔に? アニメ&映画に向けてまだ間に合う、熱き成長物語を解説

熱いヒーロー論や名言にも注目

 本作のもう一つの魅力が作品随所に散らばる共感できる名台詞だ。オールマイトとの初めての出会いの際に 出久は、“個性”のない自分がヒーローになれるかを質問する。オールマイトは、当初現実の厳しさを伝えて諦めさせようと諭すが、ピンチに陥った爆豪勝己を助けに行った出久の本気を見て「君はヒーローになれる」と断言、彼を自分の継承者に選ぶ。出久が感じる、親や同級生からも期待してもらえない悔しさ、そしてずっと欲しかったポジティヴな言葉を尊敬するヒーローからかけてもらえた瞬間の喜び。こうした私たちの日常生活にも置き換えられそうな感情の変化やセリフの数々が共感を呼んでいるのではないだろうか。

 作中では、これ以外にもヒーローに必要な素質や、こうあるべきだという熱いヒーロー論が語られていたり、学園ものならではの同級生たちとの友情やライバル関係なども描かれていたりする。私たちが、仕事や学校生活の中でちょっと勇気が欲しい時、少年漫画的な「友情·努力·勝利」に浸りたい時こそ、ヒロアカは最強なのだ。

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