『べしゃり暮らし』で森田まさのりが“なかっことにしたい”エピソードとは? 気前良すぎた「きそば上妻」

『べしゃり暮らし』気前が良すぎた「きそば上妻」

 漫画家の森田まさのり氏が2月22日、自身のXを更新。お笑いと真摯に向き合った人気作『べしゃり暮らし』のエピソードについて、「なかったことにしたい」と言及した。

 SNSで積極的な発信を続けている森田氏は、以前から『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』、『べしゃり暮らし』など自身のヒット作について、作画やセリフのミスを中心にセルフツッコミを行う「なかったことにしたい」シリーズを展開。自虐ネタでファンを大いに楽しませてきたが、「グランドジャンプ」で連載された最新作『ザシス』の完結に際し、4月5日に投稿された「その48」以降、更新がストップしていた。今回のポストは約2週間ぶりの“新作”だ。

 取り上げられたのは、『べしゃり暮らし』のファンにとって印象的なエピソードだ。主人公・上妻圭右の実家は蕎麦屋。父の潔は売れない芸人たちに無料で料理を振る舞い、サポートしていた。常連だった漫才コンビにネタにされたことで客足が途絶えてしまい、外に働きに出た妻が過労で亡くなってしまったこともあり、芸人を憎むようになっていたが、もともとお笑いが大好きだった。そんなことが伝わる過去の一幕だ。

 非常に感動的なエピソードだが、森田氏は「いくらなんでも毎日毎日これだけの芸人さんたちにタダで飲み食いさせてたは無理がある」とコメント。「せめて売れるまで半額サービスとか、もっと現実的なふるまいにしとくべきだったなあ…」「売れた人が今までご馳走になった分全て支払いに来るシーンとかあってもよかったな…」と、反省しつつ対案を示した。

 主人公の父の人情と芸人への愛憎を強調するエピソードで、違和感を持った読者も少なそうだが、リアリティにこだわり、過去作についても検証を続けるのが森田まさのりという作家だ。『ザシス』も好評のうち幕を閉じ、気は早いが次回作にも期待が集まる。新連載が発表されるまで、森田氏のXで貴重な“ネタ投稿”を楽しみたい。

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