『南国少年パプワくん』柴田亜美 画家での創作エピソード「タンノくんは精神安定、龍には凄い力を感じる」

柴田亜美 画家としての思い

■作品を送り出すときは感極まることも

――画家としてデビューされて、手ごたえを感じることはありますか。

柴田:びっくりしたのが、作品を買われた方のほとんどは私の漫画家としての仕事を知らない方ばかりで、そして3分の1が海外の方だそうです。国籍も様々で、アメリカ、タイ、中国、イギリスなど様々な国の方にお迎えいただいています。

――購入された方とお話をされたことはありますか。

柴田:たまたま私が画廊を訪れたときに話すことはありましたが、守秘義務や身分を明かされない方もいますから、購入した理由を実際に聞く機会はあまりありません。海外の方には、色彩に興味を持っていただいているのかもしれないと思っています。ただ、作者としては作品が手元に戻ってこないのが一番寂しいですね。漫画の場合は原画が戻ってきますから。

――作品を送り出すとき、感極まることもあるのではないでしょうか。

柴田:すっっっごいあります。もうこの子に会えないんだなと、家でじっくり見てから送り出します。絵の持ち主の方に、大切にしてあげてね、飾ってあげてね、という願いがめっちゃありますね。

■龍を描いているときは接触厳禁!?

柴田亜美氏が描いた龍。龍を描くのには相当な労力がかかるという。

――柴田先生は画家になってからは、一人で創作をされているそうですね。

柴田:漫画家の時はアシスタントさんがいたので、寂しくないんです。画家は本当に一人っきり。こないだ、「ワイドナショー」に出演したときは、2週間ぶりに人と会ったくらいです。「電波少年」のなすびさんは、家の中にずっと一人でいて発狂しそうになったんだろうな、と思いましたよ。普段は1週間から10日分の食料を買いだめして、家に籠っています。早くアシスタントさんが使える大物の画家になりたいですね。

――創作はまさに自分との戦いですね。

柴田:画廊の小宮山さんに申し訳ないのですが、龍を描いているときは頭がおかしくなっていて、いらいらすることが多いんです。龍神様の祟りなんじゃないかと思うほど。

――龍を描くときはどんな心境になるんですか。

柴田:龍を描いているときは「終わらない〜」って愚痴ばかりXに書いていますね。私のXは、フォロワーさんに向けて情報発信している面もありますが、75%は仕事関係者に向けた生存確認になっています。ありがたいことに、事務所のスタッフさんも今は龍を描いているから連絡しちゃダメだとか、凄く気を使ってくれています。

――柴田先生にとって龍は特別な題材なのですね。

柴田:私にとって、というよりも龍自体がもつ力が凄いんじゃないかなと思いますよ。猫とか、タンノくんを描いている時なら精神状態が安定していますから(笑)。

――そんな柴田先生の渾身の力作が多数展示される個展です。この記事を読んで、来場したいと思った方へメッセージをいただけますか。

柴田:見に来ていただくだけでもありがたいですので、気軽に足を運んでいただければと思います。そして、動物たちの姿や鮮やかな色を見て、明るい気持ちになっていただければ嬉しいです。

▼展示会情報
柴田亜美「めでたい動物展」
期間:2024年3月29日(金)〜4月7日(日)
時間:木~月曜の12:00~18:30(日曜・祝日は17:30まで)※火~水曜は休廊
場所:「KOMIYAMA TOKYO G」
東京都千代田区神田小川町3丁目20-4 1F D 第2龍名館ビル
HP:https://www.komiyamatokyo-g.com/

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