サンローラン、マーク ジェイコブス……なぜハイブランドは書店に興味? ファッション×カルチャーの可能性

なぜハイブランドが書店オープン?

 さらに言えば、書店自体が多目的な文化発信基地化し、一種の観光名所・オシャレスポット的に変化していく動きも関連している。ハイセンスある店内で本以外に雑貨や文具なども販売し、カフェが隣接して設置され、広いスペースを活かして各種イベントなども開催する。この書店として、トレンドを意識している代表格としては、蔦屋書店があげられるだろう。店内にイベントスペースを備え、喫茶店としての機能も持たせてブランド化した書店は全国的に増加しており、現代における「実店舗を備えた書店」の最適解かのように見える。

 つまり、ハイブランドが運営する書店と、ネットでいくらでも本が買える状況に合わせて書店側が進化していった形が、同じ地点を目指していると言えるだろう。ハイブランドの書店はいきなり数を増やすことはないだろうが、大規模書店がカフェ/雑貨屋化・イベント施設化していく流れは当分止まらないはず。「書店とブランド」の関係は、今後も近づいていくのかもしれない。

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