【漫画】もう会えなくなった憧れの友人の“すべて”を真似した日々ーーノスタルジックで胸を締めつけるSNS漫画
誰しもが持つ幼少期の忘れられない思い出。SNS漫画『友達に憧れすぎてなんでも真似しちゃう子』は、主人公がもう会えなくなってしまった友人・礼子との青春をノスタルジックに思い出すストーリーだ。胸をしめつけるリアリスティックな心象描写がシュールな絵柄で表現される点も見どころとなっている。
作者は、ざくざくろさん(@timtimtooo)。彼女によると、礼子のモデルは現在連載中の『クリオネの告白』に登場するキャラクター・うららと同一人物だという。その記憶から離れなかった存在とはどんな人だったのだろうか。着想や実際の制作についても含めて聞いてみた。(小池直也)
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――本作はご自身の経験を形にしたものでしょうか?
ざくざくろ:はい。とても印象的な子で大人になってもずっと忘れられなかったんです。それなら「もう漫画の中で会おう!」と思って描きました。
――登場する礼子は現在連載中の『クリオネの告白』に登場する主人公の友人・うららのモデルだと伺いました。『クリオネの告白』を描くに至ったきっかけについても教えてください。
ざくざくろ:私は好きになるのは男性なのですが、 性的に興奮するのは女性に対しての場合が多いです。その罪悪感を描こうと思ったのがきっかけでした。
礼子ちゃんをモデルにした理由は『友達に憧れすぎて〜』と同じく、礼子ちゃんに漫画の中で会いたかったから。ちなみにモデルといっても見た目だけで、設定などはまったく違います。
――ストーリーは過去や家庭に傷を負う主人公と穏やかな田舎の日常が対比となっています。このような物語になったのはなぜでしょう?
ざくざくろ:舞台を田舎にしたのは、私が田舎に住んでいるので、ロケハンに行きやすいかなと思ったからですね。 また「父親が原因で性欲に嫌悪感のある子」や「性欲は時に凶器になると知っている子」が同性の友達に性欲を抱いてしまった時にどうするか、という物語を描きたかったのもありました。
――他の作品として『恋愛戦略と駆け引きでセフから本命になる女の子の話』で大人の駆け引きも描いておられます。この振れ幅については?
ざくざくろ:『セフから〜』はできるだけポップに描こうと気をつけたので、そこに振れ幅を感じてもらえたのかなと思います。私の表面上の性格と心の奥の性格が違うので、それが漫画に現れたのもあるかもしれません。
――連載で感じる喜びや苦労などがありましたらお願いします。
ざくざくろ:主人公や登場人物が辛い心情になると、自分もしんどくなってしまうんですよ。読者さんが「主人公が救われますように」や「主人公、泣かないで」など、キャラの幸せを願ってくれたり、心配してくれることが嬉しいですね。描くのはしんどいけど絶対最後まで描こう、という力をもらっています。
――もし礼子さんに再会できたとしたらどうしますか?
ざくざくろ:恥ずかしくてヘラヘラすると思います。あと私は長期記憶力が高いほうで昔のことをかなり覚えてるのですが、全部忘れたふりをすると思います。こんなに想ってたことがバレたら恥ずかしいですから(笑)。
――漫画家としての2024年の目標や展望を教えてください。
ざくざくろ:目標というか、とにかく『クリオネの告白』を最終回まで描きあげたいです。描くのがとても苦しい漫画で、既に何度かリタイアしそうになっていますが、主人公を幸せにするまでは終われません。
『クリオネの告白』連載中
https://zakuzakuro.com/m/m45510b4f90e1