【漫画】Xで2.3万いいねの感動作ーー“創作”の原点に迫るSNS漫画『白いランチョンマットに』のバズに納得

――『白いランチョンマットに』には2.3万のいいねが付いていますが、ご本人としてはいかがですか?

ヒロ・コトブキ(以下、コトブキ):自作では珍しくギャグ要素がほとんどない作品です。真っ向から描いたので何となく恥ずかしさもありますが(笑)、それに多くのいいねが付いたことが嬉しいですね。自分のなかで1、2を争うほどのバズでした。

――着想についても教えてください。

コトブキ:普段は仕事に行く前の2~3時くらいからを漫画を描く時間にしているんです。半分寝ぼけた状態で鉛筆が走るがままに物語を紡ぐので、それがギャグになるのかファンタジーになるのかは自分でもわかりません。

 だんだん輪郭ができて、最後に物語へと落とし込むことが多いですね。本作も片方の翼を持った男の子を1コマ目に描いてしまって、ぼんやり次を考える、という連続でした。

――制作はどれくらいかかりました?

コトブキ:描き出したら悩むことはないですが、描くのはそんなに早くないんですよ。本作は10日くらいで描き上げたはずです。

――ランチョンマットから、まさかという物語展開でした。

コトブキ:僕自身も雲の形を眺めて授業が耳に入ってこない、という少年でした(笑)。だから本作は何となく幼少期の自分に言っているような、過去を救済するためのエクスキューズのような内容なのかもしれません。意図したものではないのですが。

――大人と子どもは同じ景色でも見ているものが違うのだなと考えさせられました。

コトブキ:伝えたいメッセージを端的に表すと、そこに集約されるのかもしれません。そこが共感を得た気もしています。

 人から見たらネジが外れているようでも、その穴にファンタジーを詰め込んでもいいと思うんですよ。それが個性になるはずですし、そこに成功も失敗もないのかなと。

――ソスとセウユスの関係性もぐっとくるものがあります。

コトブキ:プラスとマイナスのように対比されたものが重なって、コンプレックスを解消するような物語が好きなんだと思います。ふたりの力が合わさって、それ以上の力になることを信じているのでしょうね。自分も以前はバンドもやっていたんですよ。

 その経験があるから世に発信することも怖くない。当時のメンバーを背負ったかのような気持ちで活動できています。

――西洋の童話や神話を彷彿とさせる世界観についてはいかがでしょう?

コトブキ:縄文時代やそれ以前の話などが好きなんです。本やYouTubeで読む程度ですけど、日本史も追求していくと他の文明からの影響もあるので、そういう意味では作品とも繋がっていると思います。

――別作品『おれ、明日死ぬらしいっすわ。』でも天使が登場しますね。

コトブキ:自分もなぜなのかと思います(笑)。天使の扱いが全然違う作品ですが、そちらも今年から連載が続いていく予定です。

――今後の展望についてもお願いします。

コトブキ:漫画を描く時間が多ければ多いほど幸せですね。これまでのアクションはXの投稿くらいでしたが、今年は自分の方から賞に応募したりできる男になりたいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる