『まじっく快斗』連載再開なるか? 『名探偵コナン』『YAIBA』とのクロスオーバーを振り返る
『コナン』に怪盗キッドが登場したのは青山剛昌がいわゆる作品と作品の”クロスオーバー”を採用したことが始まりだ。『まじっく快斗』のキャラクターがその設定を保ったまま『コナン』に登場する”クロスオーバー”のスタイルは、キッド以外にも様々存在する。上述した青子の父親である中森銀三は『コナン』にも度々登場し、作品の枠を超えてキッドを追い続けている。銀三同様にキッド逮捕を狙っている白馬探もまた『コナン』にも度々登場しているキャラクターだ。『コナン』ではキッド同様にクールな高校生探偵としての側面が強調されているが、『まじっく快斗』においては少しイタめなキャラクターとして、こちらもコメディリリーフとしても描かれてることも多い。
逆に『コナン』からのクロスオーバーとして工藤新一がキッドの犯行を阻止するために一役買ったエピソード『ブラック・スターの巻』が『まじっく快斗』4巻に収録されている。このエピソードはアニメ『名探偵コナン』第219話『集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド』としてアニメ化されると共に、現在劇場公開中のTVシリーズ特別編集版『名探偵コナンvs.怪盗キッド』でも見ることができ、『まじっく快斗』と『コナン』の歴史を辿る上で欠かせないエピソードだ。
更には『コナン』以前に青山剛昌が『週刊少年サンデー』にて連載していた『YAIBA』と『まじっく快斗』のクロスオーバーも展開されている。第3巻に収録されている『〈番外編〉刃VS.快斗!』は、『YAIBA』に登場する峰家に眠る先祖伝来の宝刀を巡り、キッドと『YAIBA』の登場人物がバトルを繰り広げるストーリー。このエピソードはその後、『コナン』のオリジナルビデオ作品『コナンVSキッドVSヤイバ 宝刀争奪大作戦‼』として、『コナン』のキャラクターやそれに纏わるオリジナル展開を加えてアニメーション化もされている。青山剛昌作品を取り巻くクロスオーバーを楽しみ尽くすためにも『まじっく快斗』は必読の1作と言えるだろう。
そんな『まじっく快斗』が7年振りに連載再開されるとなれば、『コナン』ファン、とりわけ人気の高いキッドファンにとっても嬉しい出来事だ。奇しくも4月からは『劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が公開される。『100万ドルの五稜星』ではキッドがキーキャラクターとなることが既に明らかとなっており、その活躍に注目が集まっている。『名探偵コナン』連載30周年イヤーとして様々な企画が目白押しな今年、怪盗キッドがその30周年を後押しするように盛り上げてくれるはずだ。