映画は驚異の再現度の高さ! いま『ゴールデンカムイ』原作を読むポイントとは?

『ゴールデンカムイ』原作を再読

 そしてこの『ゴールデンカムイ』の最大の魅力は、やはり北海道の大自然。時代は明治末期だ。絶滅したはずのエゾオオカミやヒグマが登場する。ただ登場するだけならばほかの作品でもCGで十分に再現されてきたが、本作では人間との格闘が行われる。映像化はなかなか困難。しかしこれがホンモノのようなリアリティを持っている。対峙する俳優陣のアクション/リアクションの力も加わり、マンガの中の空想的なシーンが(あまりにも!)生々しく創出されているのだ。

 これはキャラクター同士のアクションにおいてもいえることで、マンガのコマからだけではその迫力がどんなものであるかは読者の想像力に委ねられている。けれども実写映像ではその様子が目の前で展開する。映像と絵とを見比べてみるのもひとつの楽しみ方だろう。

 それから『ゴールデンカムイ』には特有のフード描写が登場する。これも原作では絵とセリフとキャラクターの表情からその味や匂いを想像するしかない。ぐつぐつ煮込まれて湯気を立てる自然の恵みは、実写ならではの力でスクリーンから香りが漂ってくる。私は鑑賞後に自宅に帰って原作を開き、レシピを確認したほどだ。これもまた、原作と映画に簡単にアクセスが可能ないまだからこそできること。

 見てから読むか、読んでから見るか。私はやはり「読んでから見る」ことをオススメしたい。そして鑑賞後はすぐに復習だ!

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