実写『幽☆遊☆白書』「霊界死闘編」は描かれないの? 浦飯幽助の“恋のライバル”が登場した名エピソード
実はモテモテだった初期の浦飯幽助
さやかは西洋人形のような見た目をした少女だが、実は屋敷に住んでいる幽霊で、小学生の正太を夜な夜な遊びに連れ出していた。生前は病弱で、家族とも友人とも仲良くできない孤独な人生を送っていたため、さびしさから正太に目を付けたという。
一見大人しそうに見えるものの、幽助が彼女たちの遊びを止めにやってくると、「ジャマするの? あんたなんかきらいよ」と豹変するなど、気が強いところがある。そして大人びた態度の一方で、幽助に「おしりぺんぺん」のお仕置きを受けて泣きじゃくったり、初めての肩車に感動して涙を流したりと、年相応の姿を見せることも多く、ギャップに満ちたキャラクターだった。
そして正太の話が終わっても、さやかは成仏せず、数話のあいだほぼレギュラーのような扱いで幽助たちと行動を共にする。しかも幽助をいたく気に入ったようで、螢子の存在を知ると「あたしとどっちがきれいかしら」と張り合い、嫉妬心を剥き出しに。ぼたんはそんな彼女の様子から、幽助への恋愛感情を見抜いていた。いわば、小さな恋のライバル候補だったのだ。
ちなみに第5話で出会った地縛霊の少女も、幽助に想いを寄せるような姿が描かれていた。幽助は傷心中の彼女を元気付けるため、夜のデートに連れ出し、その笑顔に対して「今の顔スゲーかわいい」という天然の殺し文句まで放っていたので、それも無理はないだろう。実は幽助には、ラブコメ主人公としての適性があったのかもしれない。
こうした話も含めて、「霊界死闘編」は幽助の人間としての魅力がよく伝わってくる内容となっている。初登場のイメージが“札付きの不良”だった分、なおさら効果的なギャップを生み出している印象だ。
実写ドラマ版だけでなく、1990年代に放送されたアニメ版でも、「霊界死闘編」はほとんどカットされている。原作でしか読めない貴重なエピソードなので、機会があれば一読してみることをオススメしたい。
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