歌舞伎町ホスト問題「売掛なし」は本当に実現するのか?『「ぴえん」という病』著者・佐々木チワワに聞く
「ホストと客の一対一の契約関係において、どこまで国家が介入するかという話になります。全面禁止では法的にもいろいろな問題が起きてくると思います。また、夜間はATMが使えなかったり、下ろせる金額に限度があったりするので、後日払うようなことは今後もあるでしょう。でも、返済能力がないのに売掛をするという人は減ると思っています。お金を返せるのが明らかな人の売掛がメインになってくるはずです」
一方、売掛が規制されることに対して、当事者たちには複雑な心境もあるようだ。
「困るのは、仕事に対する意識が低いホストと女性だけなんです。女性に『なんで売掛がなくなったら困るの?』と聞くと、『それがないと仕事を頑張る気がしない』と言われることがあります。基本的に稼いでから飲むのではなく、飲んでから稼ぐのではないと、仕事のモチベーションを保てないと。一方、ホストの側は売掛があるからこそ、普段から女性に頻繁に連絡しようと頑張るのだといいます。しかしそれらは感情論で、合理性がない話のように思います」
最後にホストクラブの未来について次のように締め括った。
「明らかに悪質な事例を減らすために、適度な規制が行われるといいと思います。結果的にホスト業界自体の売り上げはそこまで下がらずに、昔のように適正な金額で楽しめるホストクラブとして存続してほしいです」