「文学フリマ東京37」に見た熱狂とさらなる可能性ーー映画、演劇、音楽系の参戦も進む“文フリ”レポート
さらに今回は、文学だけでなく映画や演劇、音楽の世界からの参戦があったことにも注目したい。短歌文芸誌『胎動短歌Collective vol.4』にはロックバンド・クリープハイプのボーカルである尾崎世界観やアイドルの寺嶋由芙が寄稿していることが事前に明かされ、話題となった。また、劇団ヨーロッパ企画主宰で、脚本家としても活躍する上田誠がコラムを寄稿したタイムトラベル同人誌『超個人的時間旅行』の販売もあり、こちらも文フリの開催前からSNSで大きく注目を集めていた。対して、ひっそりと販売されていたのが映画監督、ハル・ハートリーによる回想録『シチュエーション:コメディ メイキング・オブ・ロング・アイランド・トリロジー』だ。こちらはこれまで劇場で販売されていたパンフレットを今回のブース出店に合わせて持参したとのことだが、思わぬ出会いに筆者も驚いた。
まだまだ多くの可能性に満ちている文学フリマ。規模が大きくなるほどに、様々な葛藤の声も聞こえてくる。だが文学がこうして大きなうねりを持ちながら熱狂をうむ様子は、やはり胸が熱くなるもの。来年の文フリにも大いに期待したい。
参照:https://www.tbsradio.jp/articles/76793/
https://realsound.jp/book/2023/11/post-1486828.html
https://twitter.com/JIJO_K3/status/1722751140767613077