『ガンダムZZ』“悪ガキ”の物語のなかで描かれた老人の寂しさーームーン・ムーン編が残した悲しい余韻

『ガンダムZZ』第十五話レビュー

 とりわけ、「忘れられたままは、寂しい」「老いれば老いるほど、ますますな」という彼の最後の台詞は胸を打つ。ロオルは老いた自分が外界から忘れ去られていってしまうのが、どうしようもなく寂しかったのだ。彼の年齢を考えれば、「寂しさ」は充分行動に出るだけの理由になり得る。その感情の生々しさが、第15話の最大の特徴だと思うのだ。

 この事件を経てアーガマが別の場所へ飛んで行ったあとも、相変わらず閉鎖されたムーン・ムーンの中でロオルは生き続けるのだろう。しかも、サラサを教祖にした宗教の神官という立場も、もう手元にはない。ただのロオルとして、寂しさを抱えたままこの先も閉ざされたコロニーの中で暮らしていかなければならない老人のことを考えると、なんともつらい気持ちになる。悲しい余韻のあるエピソードだった。

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