『ガンダムZZ』ガンダム世界に風穴を開けた「ムーンムーン」とジュドーの覚醒ーー強い印象を残した第14話を検証

『ガンダムZZ』第十四話レビュー

 二作のアニメと商品展開によって設定が作られたことで、硬直が始まってしまったガンダムシリーズ。『ZZ』の「不良少年たちが主役の、コメディタッチの作品」というフォームは、そのムードに風穴を開けようとしたものではないかと推測される。そうであれば、「ジュドーのような不良少年でも、進化した人類であるニュータイプになれる」というテーマを早いうちから提示することは必然のはずだ。思春期らしいナイーブさを抱えた線の細い少年ではなくても、宇宙という環境があれば進化した感覚を手に入れて当然である。それをはっきり示すことができれば、硬直し始めたガンダムシリーズに新たな方向性を生み出すことができるかもしれない。

 この「元気な不良少年がニュータイプとして覚醒する」という点は、上記のような理由から『ZZ』を他のガンダムシリーズと差別化する大きな特徴であり、描かないわけにはいかないポイントである。14話が経過したところでようやく見えてきたジュドーのニュータイプ化という変化は、この先どうなっていくのだろうか。

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