『地獄先生ぬ~べ~』アニメと原作の違いは? 実況視聴イベント開催の「第一話・第二話」から考察

『地獄先生ぬ~べ~』原作とアニメの違い

第二話「トイレの花子さん」はアニメで“怪談感”アップ

 また、TVアニメ版2話で描かれるエピソードは、誰もが知る学校の怪談「トイレの花子さん」をモチーフにしている。これは単行本の1巻9話に該当し、あらすじに大きく変わる部分はない。

 だがタイトルに関しては、漫画版が「散歩する幽霊の巻」で花子さんが地縛霊なのかどうかにフォーカスを当てているのに対し、アニメ版は「トイレの花子さんが出たぁ~っ!」とあくまでも有名な怪談が取り扱われていることをプッシュ。TVアニメではよりわかりやすくアイコニックな心霊現象が求められているのだと感じた。「トイレの花子さん」というザ・学校の怪談を2話に持ってきたことで、作品が愛される大きなきっかけにもなっただろう。

 漫画とTVアニメでは全体の流れに関しても、やや違った印象を受ける。単行本で読み進めると、広の物語の後には、同じくぬ~べ~の教え子である晶、美樹、克也たちの活躍するエピソードを順繰り読むことができ、彼らの姿を通して心霊現象についてより深く知れることになる。一方TVアニメ版の序盤では、広や郷子が中心になることで“誰のどんな物語なのか”がわかりやすい。子どもが観ても、“自分ごと”として捉えやすい構成になっているだろう。

 こうした違いはありつつ、どちらも『地獄先生ぬ~べ~』の魅力がぎっしりと詰まっていることに変わりはない。「最強ジャンプチャンネル」でTVアニメ版が全話配信されるほかにも、ピッコマでは現在コミックス版が期間限定で全話無料配信されているので、両者を見比べつつ『ぬ~べ~』の世界を堪能してほしい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる