「マジで怖すぎ……」『地獄先生ぬ~べ~』トラウマ回は、荒業「幽体摘出」を試みた人間との戦い

「ぬ~べ~」の最恐トラウマ回

 『地獄先生ぬ~べ~(以下、ぬ~べ~)』の作画を担当した漫画家の岡野剛が、『ぬ~べ~』30周年を機にX(旧Twitter)でファンの質問に回答し、話題を呼んでいる。『ぬ~べ~』は1993年に連載が開始された90年代の「週刊少年ジャンプ」を代表するヒット作であり、アニメ化もされた。鬼の手をもつ学校教師の鵺野鳴介(ぬ~べ~)が、子どもたちを守るために悪霊と戦う少年漫画である。

  当時、「ジャンプ」をリアルタイムで読んでいた子どもたちは、ぬ~べ~の活躍に熱狂し、妖怪や超常現象や七不思議に興奮したはずだ。記者もそんなぬ~べ~ファンの1人だが、同時に、強烈なトラウマを与えられた話も多いのではないだろうか。何しろ舞台が学校と言うこともあって、当時の子どもたちは作中の出来事を身近に感じた人も多いはずだ。

  さて、作中屈指のトラウマ回といえば、第24話「「A」がきた!!」ではないだろうか。おそらく、この作品は『ぬ~べ~』の怖い話ランキングをしたら確実にトップ、もしくは上位に入ってくるはずである。Aはいわゆる怪人赤マントをモデルにしたキャラクターで、妖怪でも幽霊でもなく、殺人鬼である。長年捕まっていない怪人であり、大人たちは余計な恐怖を与えないように子どもたちにその存在を秘密にしていたのだ。

  Aは登下校中の子どもを狙って襲撃するが、そのやり口が怖すぎるのである。Aは子どもたちに、赤、白、青のどの色が好きか、質問をする。「赤が好き」と答えると血まみれにされ、「白が好き」と答えると体中の血を抜かれ、「青が好き」と答えると水に沈められて殺されてしまうのだ。そんな恐怖の怪人が『ぬ~べ~』の舞台、童守町に現れたのである。そして、下校中のぬ~べ~クラスの3人が狙われてしまった。

  実はこの回、数少ないぬ~べ~が人間と戦った話としても貴重だ。妖怪や幽霊相手には効果を発揮する鬼の手だが、では人間相手ならどう戦うのだろうか。自分の生徒に手を出されたことを怒ったぬ~べ~は、「幽体摘出」という荒業を試みたのだ。しかし、Aは怪力でぬ~べ~を払いのける。紆余曲折あって、最後にAは焼死して死んだことになっているのだが、最後のページで、Aは起き上がり、マントを翻して歩き始める。つまり、Aはまだ生きている可能性があるのだ。  これが話のあらすじなのだが、ぜひ単行本を手にして読んでいただきたい。とにかく怖い。これに尽きる。子どもの時にこの漫画を読んだ記者はだいぶトラウマになり、登下校の時間がマジで怖くなってしまった。そのくらいインパクトのある話だし、改めて原作の真倉翔の作り出す話の巧みさ、そしてその物語を見事に絵に表現した岡野剛の画力。2人のコンビが生み出した漫画の凄さを感じずにはいられない。

  あなたが気になった『ぬ~べ~』の話は、なんだろうか。Xではファンが続々とポストし、その岡野がコメントを返すなど、大いに盛り上がりを見せている。ぜひ、思い出とともに、コメントで教えていただきたい。

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