【ライトノベル最新動向】ダンまち、よう実、転スラ、このすば……新刊続々! 10月の注目ライトノベル
新作では、駄犬『誰が勇者を殺したか』(スニーカー文庫)がtoi8のイラストを得て9月29日刊行。勇者たちによって魔王が倒されてから4年後の世界、亡き勇者を称える事業がパーティの仲間たちによって立ち上げられているが、勇者がどのように死んだかを誰もはっきりとは話そうとはしない。その真相を探る展開の中で見えていなかった真実が浮かび上がって来そう。現代版『薮の中』とでも言えそうなファンタジーミステリだ。
ライトノベルにミステリブームが来ているのか、「デート・ア・ライブ」シリーズの橘 公司も10月2日に『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』(ファンタジア文庫)を刊行。女子大生であり 魔術工芸品犯罪を専門に扱う探偵の時崎狂三が、狙撃不可能な場所から放たれる「魔弾」絡む事件や、「生きた人形」による集団昏睡といった事件に挑む。鴨河『清楚怪盗の切り札、俺。』(ファンタジア文庫)は、ノアという伝説の大怪盗に盗賊として名を馳せていた主人公が挑むが、意外な展開に驚く。ファンタジーとラブコメの融合を楽しめそう。
タイトルが凄い新作が、赤城大空『【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?』(ガガガ文庫)。迷惑系配信者をボコってしまったお嬢様配信者がバズる話と想像できるが、お嬢様にして底辺配信者という濃い属性の持ち主がどのようなキャラクターなのかに興味が募る。短いタイトルでも、10月25日しめさば『サキュバス四十八手』(ダッシュエックス文庫)はここからいろいろな妄想が浮かび過ぎる。どれだけの技が繰り出されるのか。期して待て。
キャラクター小説系では、「紅霞後宮物語」の雪村花菜による新シリーズ『流蘇の花の物語 銀の秘めごと帳』(富士見L文庫)が10月14日刊行でスタート。女王直属の間諜組織に所属しながら表では女官をしている銀花が、宗主国の将軍の妻となって潜伏するよう命じられる。そして異国で出会った涛声という男から強い関心を向けられる。任務と恋情の狭間で揺れる心に触れられそう。
辻村七子の人気シリーズに待望の新刊。『宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会(マスカレード)』(集英社オレンジ文庫)は、美貌の宝石商リチャード氏の店で働く中田正義と知り合った中学生の3人が、岡山で過ごす中で経験を積み重ね、思いを巡らせる様が描かれる。10月18日発売。切ない恋を紡ぎ続ける青野原灰の新刊『あの日見た流星、君と死ぬための願い』(メディアワークス文庫)は、ループし続ける時の中にいて、孤独に慣れていた少年が、同じようにループしている少女と出会って変わる姿を描く。10月25日発売。