『シティーハンター』は日本版フルハウス⁉︎ 冴羽獠と槇村兄妹の胸アツ絆エピソード
真実を知らないふりも? 香と獠の深い絆
シティーハンターの人気の一端を担っているのが、冴羽と香とのパートナーシップぶり。漫画では、2人の出会いや槇村に関して、実は様々な秘密を共有していたことが明かされる。
例えば、香の実姉・立木さゆりから依頼を受けたエピソードのラスト。警視庁特捜課に所属する冴子から「香が真実を知っているのでは?」と聞かれ、獠がのらりくらりと明言を避ける一コマがある。
この冴子の問いに対する答えは、作品の終盤に回収され、実は、高校生の香と獠が初めて出会った際に、兄と血の繋がりがないことを既に話していたのだ。つまり香は槇村が実兄でないことを高校生時点で既に知っており、獠もその秘密を飄々とした態度で守ろうとしたことが分かる。
ちなみに、香が後に3月26日を獠の誕生日に指定しており、これは2人が初めて出会った日にあたる。獠はその場では意味がわからないそぶりをしつつ、実はそのことも覚えていたというコマがある。
気づいていないふり、覚えていないふりをしながら、様々な秘密を共有している2人は、作品で度々登場する「あの2人の間には誰も入れない」という表現の通り、極めて強い絆で結ばれている。読書の秋、ぜひ主要キャラの絆エピソードに注目して、名作を再読してみてはいかがだろうか。