『ガンダム』に乗る歴代主人公、アムロ、カミーユ、バナージ、スレッタ……親が“開発関係者”説を検証
『機動戦士ガンダム』シリーズには、さまざまな立場の主人公が登場する。しかし共通点として、「親がガンダム開発の関係者なのがきっかけでガンダムに乗るケースが多い」と話題になっている。
ガンダム開発関係者という共通点はあっても、親子関係はさまざま……
2023年7月2日に最終回を迎えたガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』も、主人公スレッタ・マーキュリーの母親であるプロスペラはガンダムの開発者だ。スレッタはプロスペラに託される形で、ガンダム・エアリアルのパイロットになっている。
ほかにもパターンに当てはまる主人公として『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ、『機動戦士Zガンダム』のカミーユ・ビダン、『機動戦士ガンダムUC』のバナージ・リンクスらの名前が挙がる。しかし、それぞれの親子関係やガンダムのパイロットになった経緯はさまざまだ。
アムロの場合、父親テム・レイがガンダムの開発者。アムロが父親のマニュアルを偶然拾ったことがガンダムのパイロットになるきっかけとなっている。とはいえ、アムロがガンダムに乗ったのは成り行きで、父親は直接関わっていない。
カミーユの場合は、父親フランクリン・ビダンがガンダム開発に係わった技術士官だ。しかしカミーユがガンダムのパイロットになったのは、ジェリド・メサとのやりとりに端を発している。父親がガンダム関係者であることと、カミーユがパイロットになったことに関係性はほぼ見られない。またカミーユと父親の関係性を見ても、託されたと表現するのも難しいだろう。
バナージは母子家庭で育っており、母親が亡くなったのをきっかけに父カーディアス・ビストに引き取られている。そしてユニコーンガンダムを託されてパイロットとなった。カーディアスは直接ガンダム開発に関わる技術者ではないが、ビスト財団の当主という立場から関係者といっても間違いではないだろう。
ロボットアニメではお約束の設定?
ガンダムシリーズだけでなく、ロボットアニメでは主人公の身内に開発関係者がいるケースが多い。例えば『マジンガーZ』の主人公・兜甲児は、祖父・兜十蔵博士がマジンガーZの開発者だった。敵に命を狙われた兜博士が、駆けつけた甲児にマジンガーZを託したのだ。また『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジも、父親・碇ゲンドウがエヴァンゲリオンの関係者である。
ネット上では「民間人をいきなりモビルスーツに乗せるには、“身内が関係者”くらいの関わりがないと厳しい」「敵が攻めてきた時に、目の前のモビルスーツに乗り込んで応戦する気概がある民間人って、ある程度モビルスーツに触れた経験や知識がある人だろうなと思う」と納得する見方が多い。
たしかに、ある程度スムーズに主人公とガンダムを出会わせるには、身内が関係者の方が違和感が少ないだろう。シリーズ内には、身内に関係者がいない主人公が偶然ガンダムに乗り込むケースもある。しかし、軍事機密のはずのガンダムに乗り込めてしまう状況に対し「警備がゆるすぎる」と指摘されている。
また主人公が初めて搭乗するガンダムを操縦できる点も、身内に関係者がいれば不自然さは緩和されるだろう。「少年時代から高度なメカに接してる環境にないと、手足みたいに動かせない」と納得する声も多い。視聴者がすんなりと物語に入り込むには、うってつけの設定と言えるのかもしれない。
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