ガンダム『鉄血のオルフェンズ』ライド闇落ち展開は重すぎ? 最終回に賛否両論
2015年10月に放送を開始したアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、2シーズンに渡って全50話が放送された。火星で奴隷のように扱われていた少年たちが、オルガ・イツカを中心として立ち上がり、武力と絆でのし上がっていくストーリーだ。しかし多くの思惑に翻弄され、戦いの中で次々と仲間を失い転落していく……。そんな『鉄血のオルフェンズ』最終回のワンシーンが視聴者の中で話題になっていた。
ライドは幸せに生きることはできなかったのか?
最終回では主人公である三日月・オーガスをはじめ、多くの主要キャラクターが命を落としつつ戦いが終結する。そして、生き残ったキャラクターたちがどう生きていくのかが描かれた。
元鉄華団メンバーのユージン・セブンスターク、チャド・チャダーンは、クーデリア・藍那・バーンスタインの元で働いている。ザック・ロウ、デイン・ウハイといった元メンバーたちも、それぞれが戦いを離れて新しい生活を送っているようだ。そんな中、オルガの弟分だったライド・マッスが、武器商人ノブリス・ゴルドンを暗殺する。
ノブリスはオルガ襲撃に関わっていたため、ライドはオルガの仇を討ったのだ。この行動に対してネット上では、「オルガが命を懸けて守ったんだから幸せになってほしかったよ」「元鉄華団が弾圧される理由になっちゃうのでは?」と否定的な声が少なくない。
復讐の是非は別として、ライドに同情する声も上がっている。ノブリスの襲撃を受けた際、ライドは本来団長であるオルガを守るべきだった。しかし目の前でオルガを死なせる結果に。「守らなきゃいけない相手に、自分が守られたのは辛い」「復讐したい気持ちは分かる」と、ライドの心情を慮る視聴者も少なくない。
生き残ったから幸せになれるとは限らない……
一方で、ライドの行動を「オルガのストールを巻いて、ミカ(三日月)の銃で暗殺なんて泣けるし最高だった」「生き残った全員がハッピーだったら気持ち悪い」と肯定的に受け止める声もある。暗殺時にライドが身につけていたストールがオルガのものかどうか、作中では語られていない。しかしかつてのオルガを彷彿とさせる姿は、それだけで視聴者の涙を誘う。
また敵対していたラスタル・エリオンが作った世界で、元鉄華団のメンバー全員が幸せに暮らしているというのも、これまでの戦いを考えれば不自然なのかもしれない。一見ライドは不幸に見えるが、「ライド本人は暗殺が成功して満足だろう」とする意見もあった。
そのほかに「タカキとの対比ではないか」とする見方も。タカキ・ウノは妹のために鉄華団を去り、堅気としての生活を選んだ。ライドは家族(仲間)を捨ててでも鉄華団から離れられず復讐を選んだと見れば、確かに対称的な2人と言えるかもしれない。タカキはその後、蒔苗・東護ノ介の事務所で働く姿が描かれている。
ちなみにアプリゲーム『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG』には、「サイドストーリーズ」というコンテンツがある。『鉄血のオルフェンズ』のキャラクターにまつわる物語が新たに描かれており、いつかライドの現在の姿も描かれるかもしれない。多くのキャラクターを失ってきただけに、「誰も死なない鉄華団が見たい」という視聴者の願いは切実なものだろう。今後追加されていくエピソードに期待したい。