『アイシールド21』新作読切が「ジャンプ+」で掲載へ! 村田雄介×稲垣理一郎という黄金タッグをあらためて解説
2002年7月から2009年6月まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、アニメ版も人気を博したアメフト漫画『アイシールド21』。連載終了から14年が経過してもファンの熱量は高く、コミックアプリ「少年ジャンプ+」で近日中に特別読切作品「BRAIN×BRAVE」が公開されるというニュースが駆け巡っている。SNSで一報を伝えたのは、同作で作画を担当した村田雄介氏だ。
「アイシールド21」読み切り告知アニメに音をつけてみました pic.twitter.com/jwqztfdQp0
— 村田雄介 (@NEBU_KURO) August 15, 2023
『アイシールド21』が登場するまで、「アメフト漫画」がこれだけの人気を獲得すると予想できた人は少なかったのではないか。例えば、同じくスポーツ漫画というジャンルにおいて、『SLAM DUNK』が連載を開始する当時、「バスケ漫画は売れない」というジンクスがあるなかでの挑戦だったことを作者の井上雄彦氏がコミックス最終巻で明かしていた。アメリカンフットボールはバスケと同じくアメリカの三大スポーツに数えられ、世界的に高い人気を誇りながら、バスケ以上に日本では馴染み深いとは言い難かった競技。漫画を見ても川崎のぼるというレジェンドによる『フットボール鷹』(1977~79年)のような力作こそあったが、やはり大ヒット作は存在しなかった。
しかしいま振り返ると、「作画:村田雄介/原作:稲垣理一郎」というクレジットを見るだけで、このヒットは必然に思えてしまう。漫画にそれほど明るくない人に向けて、その理由を説明したい。
村田雄介は現在、大ヒットを続けているヒーローアクション漫画『ワンパンマン』の作画を手がけており、多くの漫画原作者が共作を希望するだろう偉才だ。SNSに投稿される習作的な漫画やイラストを見ても、画力の高さは圧倒的。アニメの原画も手がけたことがあり、特にアクション=動きのある描写は一級品で、「漫画」という表現においては師匠の小畑健に勝ると考えるファンも少なくない。『アイシールド21』においても、試合のド迫力な描写から魅力的なキャラクターデザインまで、村田氏の作画がヒットの要因になったことは間違いない。