【連載】『ガンダムZZ』は“見なくていい”作品なのか?
『ガンダムZZ』でファ・ユイリィが背負った『Z』の悲しみと混乱 今になってわかる“口うるささ”の意味を考察
一方、この第10話で『Z』でファが抜けたことで、いよいよ『ZZ』の物語に本腰が入った感じがある。なんせ、主役モビルスーツであるZZガンダムが(ちょっとだけ)登場。次回はZZ初お目見えという展開だ。
思えば、ファは混乱と悲しみに満ちた『Z』の影を引きずっていたキャラクターである。一方で、ジュドーらにはその影響がなく、良くも悪くもノリが軽い。このテイストの入れ替わりをクルーの変化で表現したところで、いよいよ新型主役メカ登場という流れは、なかなか理に適ったものである。
また、これまでマシュマーくらいしかネームドのパイロットがいなかったネオ・ジオン側も、キャラ・スーンという新キャラクターを投入してきた。妙に露出の多い制服の着崩しや、左右で異なる頭髪の色など、エキセントリックな要素の塊のようなデザインである(こうして同じ話数に出てくると、ファはデザインの段階から「普通の人」だったことに改めて気づく)。チュートリアル的な「序盤の悪役」であり「コメディタッチの二枚目半」だったマシュマーから、より厄介そうなキャラクターに敵側が入れ替わったあたりからも、コロニーから宇宙に出た『ZZ』の物語が本格的に転がり出した感がある。
ということで、登場人物の一部入れ替えによって物語が一旦の節目を迎えた第10話。ついに新主役メカ登場となる次回はどうなるのだろうか。