『【推しの子】』『かぐや様は告らせたい』原作者・赤坂アカ、なぜヒットを生み出せる?

 『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』『【推しの子】』などのヒット作で知られる漫画家・漫画原作者の赤坂アカ。そんな赤坂アカの“脳内探究”をテーマにした展示会「赤坂アカの世界展」が東京・池袋の西武百貨店で開催される。今回、貴重なカラーイラストや漫画原稿、ネームなどの貴重な資料が一堂に揃うほか、オリジナルグッズの販売も行われる。

(参考:<a href="https://realsound.jp/book/2023/04/post-1307029.html/20230417ai01">【写真】推さざるを得ないクオリティの『【推しの子】』星野アイ、1/7フィギュアをさまざまな角度から</a>)

  赤坂は、2022年11月2日に刊行された「週刊ヤングジャンプ」で、足掛け7年半の長期連載となった『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の連載を終了。累計発行部数が1900万部を突破している大人気作品となった。現在、赤坂は横槍メンゴを作画に迎え、『【推しの子】』の原作者として活躍。こちらもアニメが記録的なヒットとなり、1200万部を突破している。

  昨年、赤坂は『かぐや様』の連載終了とともに、漫画家の引退を宣言。漫画原作者に専念し、活動を続けると発表して話題を呼んだばかりだ。そして、今年から西沢5㍉を作画に迎え『恋愛代行』の連載を開始した。また、赤坂は新潟県佐渡島の出身であるが、佐渡ジオパークのイメージキャラクターの姫埼美海と蒼井零のデザインを行うなど、多岐に渡る活躍を見せている。

 「赤坂アカの世界展」は、そんな現代を代表する漫画家・漫画原作者の赤坂の世界観を堪能できる展示会とあって、Twitter上では既に話題沸騰となっている。原稿の展示も行われると言うことで、約7年間の間で変化した絵柄を比較しながら観賞してみたい。

  また、赤坂の作品の見どころといえば、一癖も二癖もあるキャラクターの性格、そしてセリフ回しの上手さである。『かぐや様』の第1話では、淑やかな令嬢であるかぐやが穏やかな笑みを浮かべながら話す「下世話な愚民共」「この私を誰だと思っているの?」というセリフが、彼女の内面を見事に描いていて、秀逸だった。

 作中では「好きになった方が負け」というルールのもと、四宮かぐやと白銀御行の2人が駆け引きと心理戦を繰り広げる。第2話のババ抜きの対決などは、1ページごとに変化するかぐやの表情が実にかわいらしく、グッと引き付けられた読者も多いはず。キャラクターの内面を巧みに描く表情とセリフは、『【推しの子】』まで一貫して感じられる赤坂作品の魅力といえる。

 その原点はいったいどこにあるのだろうか。謎に迫ることができるかもしれないのが、今回展示されるネームだ。ネームとは、漫画の下描きをはじめる前段階に制作されるもので、セリフなどが描き込まれたいわば漫画の始まりといえるもの。試行錯誤の跡が見て取れそうである。こうした資料を見れば創作活動の一端に迫ることができるし、赤坂の深淵な脳内を覗き見れそうだ。

  『【推しの子】』を通じて赤坂を知った人も、『かぐや様』の頃からのファンも楽しめる展示会になっていることは間違いなさそうだ。ぜひ会場で、赤坂の脳内と世界観に浸っていただきたい。

■赤坂アカの世界展~『かぐや様』『【 推しの子 】』『恋愛代行』にみる脳内探求~
日程:2023年8月1日(火)~2023年8月14日(月)
時間:10時~20時(入場は各日閉場の30分前まで。最終日8月14日(月)は18時閉場)
場所:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
公式サイト:https://dakaichi.gengaten.com/
公式Twitter:@akasakaakagenga

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