『ガンダム 水星の魔女』は残り5話でどう物語を畳むのか……アーシアンとスペーシアンの厳しい対立を考える

 ミオリネ一人に対してアーシアン側の代表団の人数が多かったのも、多様なバックグラウンドを持つであろうアーシアンたちの事情を考えればわかるように思う。なんせ地球は広い。あの代表団が一体地球内のどの程度のエリアを代表しているのかは語られていないが、アーシアンが一枚岩ではないことはなんとなく想像がつく。それぞれの立場を代表した人々が集まり、一応リーダー格として医者をやっていたという人物を据えているというアーシアン側の体制は、それなりに妥当なものだろう。古来、高度な教育に耐えられる知能を持ち、窮状を訴える人々に触れることが多い立場である「医者」が、革命家や政治家になることは多い。ミオリネと義足の話をしたがったあの医者も、そのような人物なのではないだろうか。

 というアーシアンとスペーシアンの厳しい対立(というかスペーシアンによる一方的な搾取)を考えると、この先両者が仲直りすることってできるのかしら……という気持ちにもなるが、しかし物語は残り5話残っている。なんせ発売予定のプラモデルとして発表されている機体の中で、まだ登場していないものもゴロゴロある。おそらく地球とアスティカシアを舞台にした終盤戦の中で、『水星の魔女』がどう物語を畳むのか、今から楽しみである。

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