『どうする家康』本多忠勝、井伊直政、榊原康政……徳川家を支えた“篤き“家臣のエピソード
徳川家康の人生を描いたNHK大河ドラマ『どうする家康』。家康が天下人となるうえで欠かせないのが、個性的な重臣たちの働きぶりだった。
その勇猛果敢かつ智能にも優れた徳川家家臣たちは、強い結束と家康への忠誠心で江戸幕府設立に大きく貢献した。今回は現在『どうする家康』に登場している徳川家を支える家臣についての本を紹介したい。
『本多忠勝 戦国人物伝』(ポプラ社)
戦国最強の武将と称された徳川家康の重臣、本多忠勝。『どうする家康』では、山田裕貴が演じている。
忠勝は57回の戦を戦い、かすり傷一つも負わなかったという説があるほどの猛者だったといわれる。家康最大の危機となった本能寺の変を受けた「伊賀越え」では、切腹を考えた家康を諌めたとも。また豊臣秀吉からもその力を評価されていた。
そんな忠勝の人生を漫画で描いたのが「戦国人物伝 本多忠勝」だ。彼がどのように家康をサポートし、戦場で戦ってきたのかを確認することができる。
『井伊直政と家康』江宮隆之(学研)
『どうする家康』で板垣李光人が演じる井伊直政。赤い鎧を身にまとい「井伊の赤備え」と恐れられていた。また、長槍で相手を蹴散らす姿から「赤鬼」とも称されていたといわれる。
関ヶ原の戦いでは島津軍と対峙し、奮戦するも足を狙撃される。後に致命傷となってしまうが、戦後は島津との和平交渉を行い、徳川と島津の軍事衝突を避けることに一役買った。直政の交渉力は非常に高く、家康が江戸幕府を開くことが出来た要因の1つに、直政の功績を挙げる人も多い。
家康が成功を収めるうえで欠かせない人物だった直政。2人がどのように出会い、天下を取ったのか。「井伊直政と家康」という本には、その詳細が記されている。
『榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将』菊池道人(PHP研究所)
本多忠勝と並び徳川家康の重臣として活躍したのが、榊原康政だ。彼の「康」は、家康から譲り受けたとされる。
非常に勇敢かつ政務にも優れた人物で、度々交渉役として登場する。特に家康の息子で後に二代目将軍となる秀忠が関ヶ原の戦いに上田城で真田昌幸攻めに苦戦し遅参した際には、秀忠とともに行動していた康政が2人をとりなしたそうである。
関ヶ原の戦いに参加できなかった康政は江戸幕府が開かれると、康政は冷遇されたようで、中枢から外されるようになった。「自ら身を引いた」とも「冷遇ぶりを嘆いていた」ともいわれる。
『どうする家康』では杉野遥亮が演じている榊原康政。彼の人生やどのようにして家康を支えていたのかなどが、「榊原康政 家康を支えた知勇兼備の武将」にまとめられている。
『石川数正』三宅孝太郎(学陽書房)
家康を今川家の人質時代から支えていた石川数正。家康と織田信長の清洲同盟成立に貢献すると、三方ヶ原や長篠など、徳川家の重要な戦に全て参戦。また、豊臣秀吉と戦った小牧・長久手の戦いでは、両者の和睦を提案したとされる。
徳川家にとって重要な役割を果たしていた数正は、突然秀吉の配下に出奔。この原因には諸説あるが、詳しいことはわかっていない。数奇な人生を送った石川数正を『どうする家康』で演じているのは松重豊。一体のどのように描かれるのか、注目されている。
石川数正の人生を振り返りたい人におすすめなのが、「石川数正 (人物文庫)」。数正が家康にとって忠臣だったのか、それとも裏切り者だったのかを考察した本だ。
徳川家家臣を考察した本で、その人となりや功績を確認してみてはいかがだろうか。