『ガンダムZZ』第七話に見た『F91』の原型 コスモ貴族主義につながる“騎士道精神”の欺瞞を読む

『ガンダムZZ』第七話レビュー

 思うに、このコスモ貴族主義という発想のとば口は、この『ZZ』のマシュマーやエンドラのクルーたちに現れているのではないだろうか。自分たちは愚昧な民衆の上に立つべき存在だと信じて疑わず、正々堂々と敵を撃破しようとするが、策がうまくいかないと途端にヤケクソ気味の攻撃を繰り出してくる……。ギャグっぽく演出されてはいるが、騎士道精神を振り翳しながらコロニー内で相当な無茶をする様子は、クロスボーン・バンガードの雛形のようである。首尾一貫しておらず、状況に応じて言動がコロコロと変わる自称「騎士道精神」をさらに突き詰めた先にあるのが、コスモ貴族主義なのではないだろうか。

 そんな貴族主義まがいの思想を持ったエンドラのパイロットたちは、新たに登場したルー・ルカの助けを借りたジュドーたちによって倒される。またしても「貴族主義的エリートたちが、生命力に満ちた子供たちのアイデアと度胸によって倒される」という流れが繰り返されたわけである。なんだか『F91』のストーリーの原型を見る思いだが、アーガマも補給を終えていよいよシャングリラから出港という流れ。『ZZ』のストーリーはようやく序盤を終え、次回以降はいかにして宇宙に逃れ、マシュマーの追撃を振り切るかが物語の争点となっていく。

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