綱啓永が演じる年下イケメン役にも期待大! ドラマ化『バツイチがモテるなんて聞いてません』見どころは?

ドラマ化『バツモテ』の見どころ

 シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女......かの有名なおとぎ話でも描かれてきたように、ヒロインに不遇な環境はつきものだ。『バツイチがモテるなんて聞いてません』のヒロインであり主人公の小野和葉も例外なく、ある日突然不運に見舞われてしまう。

バツイチのミドサー×イケメン新入社員の“年の差ラブ”

ーー夫の不倫が発覚して離婚へ。物語の冒頭でいきなりバツイチとなった主人公・小野和葉(35)。 そう、現代のヒロインは、継母や連れ子にいじめられるわけでも、呪いをかけられるわけでもなく、愛する人から裏切られる.......不倫という不幸に見舞われることがあるのだ。

 けれど、彼女は決して腐ることなく、ましてや白馬に乗った王子様を待つでもなく、2度目の独身ライフを楽しもうと決意する。その矢先に彼女の職場へやってきたのは、イケメンだけど少し頼りない新入社員・満井絢斗。和葉が職場の仲間たちにバツイチ報告した瞬間にたまたま居合わせてしまったため、当初は気まずい空気が流れてしまう。けれど、その日以降なぜか絢斗に懐かれ、仕事中には絢斗から思わせぶりな発言が飛び出す。『バツイチがモテるなんて聞いてません』とはそんな“大人のモテ期”と、心掻き乱される“年の差ラブ”を描いた作品だ。

優しさと力強さを兼ね備えたヒロイン

 本作の魅力といえば、バツイチのミドサーがイケメン新入社員と距離を縮めていく“年の差ラブ”にキュンとする点が挙げられる。けれど、それ以上に着目したいのが和葉のヒロイン性だ。

 例えば、不倫した夫に対して和葉は慰謝料・財産分与を請求する。物語は合意書にサインを求めるところから始まるが、結局彼女はその要求を取り消してしまう。個人的には「いやいや、徹底的にやってしまえ!」と思わずページをめくる手に力が入るシーンであったが、彼女はきっと罪を憎んで人を憎めないタイプ。何があっても一度愛した人の傷ついた姿は見たくない、そしてそんな不運に自分自身が飲み込まれないように、背筋を伸ばして前を向く.......優しさと力強さを兼ね備えた女性だ。

白馬の王子様を待つのではなく、自分で手繰り寄せる

 その後、2度目の独身ライフを楽しもうと決意した和葉だが、もちろんその道のりは平坦なものではなく、時代錯誤な母親からの無神経な言葉に心を痛めることだってある。けれど、彼女は仕事にはより一層精を出すし、ずっと飼いたかった猫だって飼い始める........つまり、独身ライフを楽しむという信念を守り、周囲に屈しないのだ。そんな眩しいほどの“気骨のあるヒロイン性”に読んでいる側も思わず励まされる。

 昔のヒロインなら、待っているだけで不遇な環境から王子様が奇跡的に救い出してくれて、ハッピーエンドを迎えるのかもしれない。それも素敵だけれど、『バツイチがモテるなんて聞いてません』で描かれるのは、バツイチの過去、ましてや年齢なんて関係ない!と自分自身をエンパワメントできる女性の姿だ。和葉は決してバツイチだからモテているのではなく、もう一度自分の手で幸せを育もうとする、その強い姿勢が王子様を手繰り寄せているように見える。

 イケメン新入社員・満井絢斗もそんな和葉に心惹かれていくが、その過程で見せる“照れ顔”、かと思えばふとした瞬間に見せる“雄顔”.......イケメンという言葉ではとどまらない、多様な魅力あふれる彼にも注目してほしい。

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