『ONE PIECE』政府諜報機関サイファーポールの“主人公”と言えば? スピンオフが読みたい魅力的な戦士たち

『ONE PIECE』サイファーポールの魅力

※本記事は「週刊少年ジャンプ」連載中の『ONE PIECE』についてのネタバレを含みます。

 “最終章”を迎え、さらに大きな盛り上がりを見せている国民的コミック&アニメ『ONE PIECE』(尾田栄一郎)。昨年で25周年を迎えた長期連載だけに、過去に鮮烈な印象を残したキャラクターの再登場も多く、長年追いかけてきた大人のファンを童心に返している。

 ワノ国編以降、存在感を高めているのが、麦わら海賊団とかつて死闘を演じた世界政府が誇る諜報機関「サイファーポール(CP)」。“司法の島”エニエス・ロビーで戦った「CP9」は存在を隠匿された組織で、“闇の正義”を標語に殺生を許可されていた。そのメンバーが機関の最上位にあたる「サイファーポール“イージス”ゼロ(通称CP-0)」として再登場し、活躍してきた。

 なかでも印象的な二人を挙げるとしたら、「ロブ・ルッチ」と「カク」ではないか。いずれも主人公に据えたスピンオフが読みたくなるような良キャラクターで、カクについては登場が鮮烈で、人柄も魅力的だったことから、尾田先生の意図的なミスリードもあったかもしれないが、「麦わら海賊団の新たな仲間」というイメージを持った読者も多かった。

 あらためて振り返ると、ロブ・ルッチは冷酷な殺し屋で、シルクハット&肩にハト(名前:ハットリ)……というオシャレとも間抜けとも取れる印象的なビジュアルに加え、動物系悪魔の実「ネコネコの実 モデル“豹(レオパルド)”」という脇役感ゼロのカッコいい能力を持っている。キャラクターが立っているため、ルフィからも「ハトの奴」と認識されており、難敵だというイメージが共有されている。

 幼少期から英才教育を受け、13歳のころにはCP9として活躍していた……という過去エピソードも掘り下げると面白そうだ。500人の兵士が海賊に拘束された事件の現場に派遣され、海賊に捕まるような弱い兵士に価値はないとして、皆殺しにしたという恐るべき逸話もあり、ダークヒーロー的な存在感がある。

 一方のカクは身軽な剣士で、船大工としての腕も一流。初登場時23歳という年齢にもかかわらず口調は年配のような落ち着きぶり(一人称は「わし」)で、基本的には穏やかで優しい人柄だ。こちらも「能力」がまた楽しく、動物系悪魔の実「ウシウシの実 モデル“麒麟(ジラフ)”」というコミカルでビジュアル映えするもの。エニエス・ロビー編以降、再登場が期待されていた。

 ゾロと対等に戦えるだけの剣術の腕を始め、高い能力を持っているだけでなく、戦闘力の強化という意味で周囲の人間たちがあまりメリットを感じない「キリン」の姿に愛嬌があり、いじられ役になれるのもキャラクターとしての強度が高い。「やれやれ」という感じで誰より真面目に働くカクのスピンオフ作品も読んでみたい。

 その他、超人系悪魔の実「アワアワの実」の能力者で、セクシーなビジュアルもファンを惹きつけるカリファ、牛のような外見の力自慢で、しかし能力はトリッキーな「ドアドアの実」なのが面白いブルーノ、CP9時代の司令長官で、人望ゼロの小悪党というイメージが定着しているスパンダムなど、やけにキャラの立った人物が多い「サイファーポール」。あなたなら、誰が主人公の物語を深掘りしてみたいだろうか。

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