マカロニえんぴつ・はっとり「最終的に成し得なかった希望を歌にしている」 初歌詞集『ことばの種』を語る

マカロニえんぴつ・はっとり、初の歌詞集

 マカロニえんぴつのはっとりが12月20日、東京・ブックファースト新宿店で初歌詞集『ことばの種』の刊行を記念した「サイン本お渡し会」を開催。それに先駆けておこなわれた記者会見で、おすすめの歌詞や作詞の裏側を本著から明かした。

 マカロニえんぴつは、昨年の最優秀新人賞に続き、2022年「日本レコード大賞」優秀作品賞の受賞が決定するなど、現在最も注目を集めるロックバンドのひとつ。結成10周年を締めくくるツアー「マカロックツアーvol.14 〜10周年締めくくり秋・冬ツアー☆飽きがくる程そばにいて篇〜」を先日終えたばかりで、年末は人気フェス「COUNTDOWN JAPAN 22/23」などの大型フェスに出演するなど活躍が続いている。

 『ことばの種』には、2012年から今までに制作してきた歌詞76曲分が掲載。その裏側にある想いを綴った「はっとり用語解説集」も収録されており、彼の独特な創造や歌詞世界に触れられる内容となった。

 会見に現れた、はっとりは「初めて書籍が出るということで嬉しいです」と挨拶。続いて「紙媒体で歌詞をじっくり読むとことが減っているので、新しいんじゃないかなと。僕は好きなバンドの歌詞カードをじっくり読んでいたので、そんな機会を紙離れした若い世代に提供できていたら嬉しいです」と話した。

 刊行のきっかけは「自分のバンドが10年も愛されて続けてこられたからですが、それだけでなく表現者としての自分に自信が持ててきたのは、この数年なんです。だから10年分の軌跡をまとめて出したかった」と説明。初期の作品については「稚拙だと感じる」そうだが、「逆に今はそういう表現はできない」と思い至ったという。さらに「全てはその時の気持ちを切り取った自己表現だった」と回想する。

 「基本は自分の心が動いた物事を歌にしている」と、はっとりは言う。さらに「最終的に成し得なかった希望を歌にしている」とも明かした。「奥田民生になりたい」ということから音楽人生がスタートしたという彼は「今はカッコいい自分を探すのが楽しいので、ただ誰かを追いかけるよりも理想に近いですね」としみじみ。

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