大橋未歩、45歳ニューヨーク移住で気づいた“日本の良さ”「海外では本当に尊敬されている」

大橋未歩、ニューヨーク移住生活を語る
大橋未歩『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大和書房)

 元テレビ東京アナウンサーで現在はフリーの大橋未歩が、8月1日(土)、ブックファースト新宿店で自著エッセイ『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大和書房)の出版記念記者発表会を開催。ニューヨークでの生活や日本への思いを語った。

 仕事も暮らしもいったん手放し、45歳でニューヨークへの移住を決めた大橋未歩。人生のままならなさを抱えながら生きる切実さを軽やかにすくい上げ、Web連載「だいわlog」で大きな反響を呼んだエッセイを書籍化した『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』(大橋未歩著、7月23日発売)の出版を記念し、サイン会に先立って記者発表会が行われた。

 緑のワンピースドレス姿で登場した大橋は、まずタイトル『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』について、「ニューヨークといえば“ビッグアップル”なので、りんごが浮かびました。『食べたい』にしたのは、ニューヨークで経験したことを自分の血肉にしていきたいという意味で、それってほぼ“食べる”ことと同義だと思ったからです」と説明。

 さらに、「以前、『なぜ“かじる”ではダメだったんですか? むく必要があったんですか?』と聞かれたことがあるんですが、“むく”という行為には、ある程度きちんと向き合う時間が必要です。ニューヨークともじっくり向き合いたいという思いを込めました。それと、かじるのは歯茎が弱っているので無理だなと思いました」と笑顔を見せた。

 ニューヨークを選んだ理由については、「アメリカ随一の移民都市で、移民にとても寛容です。私みたいな人が突然行っても受け入れてくれる懐の深さがあるんじゃないかと思いました。あとは車の運転ができないので、車なしでも暮らせる街ということで決めました」と説明。

 現地での生活については、「最近は夫が共同経営者としてオープンしたお店で週5日接客をしています。日本の商品がとても売れるので、私は物流担当として日本の商品をアメリカへ送ったり、数字を見るのも好きなので、どんな商品がどれくらい売れているかを分析したりしています」と明かした。

 英語については、「学んできた英語とネイティブの英語は全く違うんだと本当に驚きました。でも今は英語で仕事をして、ドルを稼げるくらいにはなれたかなと思います。頑張っています」と語り、英語力の向上ものぞかせた。

 日本との違いについて聞かれると、「本当に年齢は記号なんだなと思いました。日本ほど敬語文化が顕著ではないので、同じ職場の同僚は私の半分くらいの年齢ですが、お互い年齢を聞くこともありません。何も気を遣わず接してもらえるのはありがたいですね」と話した。

 執筆で苦労した点については、「初めて自分の体のことを明かした『The Moth』(アメリカのストーリーテリングイベント)の回を書いたあと、その反響があまりにも大きくて、たくさんの長いメッセージをいただきました。『次も楽しみにしています』と言われて、『どうしよう』と思ったことが一番苦労しました」と振り返った。

 一方で楽しかったことについては、「自分は本当に日本語や漢字が好きなんだと実感したことです。熟語や漢字から立ち上るニュアンスやイメージってすごくあるんだなと改めて思いました。例えば『怪訝』という言葉も、『怪しい』と『訝る』が合わさっていて、まさにその意味なんだと感じました。日本語や漢字が好きだということを再確認する過程がとても面白かったです」と語った。

 また、アメリカで暮らす立場から見た現在の日本については、「日本人は謙遜を美徳とする文化があるので、自分たちを低く見がちだと思います。でも、日本を卑下しているのは日本人だけで、海外では本当に尊敬されていると実感しています」とコメント。

 続けて、「SNSや円安による訪日観光客の増加で、日本の良さが世界中に知られるようになりました。『日本人です』と言うことが本当に誇らしいです。謙遜は素晴らしい文化ですが、それでももっと胸を張っていいと思います。私はまだ住んで2年半ですが、30年近くアメリカに住んでいる方も、この5~10年で日本に対する評価が大きく高まったと話しています。資本主義に疲れた人たちが、日本の文化や秩序、衛生観念など、目に見えない価値を尊敬しているのだと改めて感じています」と、日本への思いを熱弁した。

 最後に、この本で最も伝えたいメッセージを問われると、「ニューヨークという響きは華やかかもしれませんが、結局は場所がどこであっても、人生は今日という一日をどう楽しむかなんだと実感しました。私は『できないことがあって良かった』と思うタイプです。できなかったことが少しでもできるようになった時の喜びを、好奇心を持って見つけながら、毎日を楽しんでいただけたらうれしいです」と、本に込めた思いを語った。

■書誌情報
『ニューヨークの林檎をむいて食べたい』
著者:大橋未歩
価格:1,980円
発売日:2026年7月23日
出版社‏:大和書房

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