米澤穂信の直木賞受賞後作品や青山美智子らが登場……立花もも解説! 11月の文芸書週間ベストセラー

11月の文芸書週間ベストセラー

青柳碧人『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』(双葉社) 

 5位は、青柳碧人『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』。西洋のおとぎ話を下敷きに、赤ずきんが探偵となって、シンデレラやマッチ売りの少女らと出会い遭遇した事件を解決していく『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』の続編である。

 森を歩いていた赤ずきんは、大きな布袋を運ぶキツネと猫たちに遭遇し、彼らが落とした木製人形の右腕を拾う。五本の指が気味悪く動くそれにペンを握らせてみると「ぼくは、ピノキオです」と身の上話を語りだす。布袋の中身はピノキオの本体で、サーカス一座から逃げ出したところを再びつかまり運ばれていく最中だったのだ。というわけで、ピノキオを助けるべく、右腕をたずさえ旅に出ることにした赤ずきんなのだが、見世物小屋でキツネ殺しの犯人としてとらえられ、ギロチンの刑にかけられる危機に……。

 ほか、『白雪姫』『ハーメルンの笛吹き男』『三匹の子豚』を下敷きに、名作童話の新解釈が炸裂する本作。赤ずきんの決め台詞「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?」も小気味いい。クリスマスプレゼントに贈ってみるのも、ちょっとシュールで楽しいかも。

 

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