「ガチ中華」クローズアップ現代で特集された話題のカウンターフード 注目店やおすすめ本をおさらい

話題の「ガチ中華」とは?

そして今、注目しておきたい場所はここだ!

 「ガチ中華」は昔なら四川料理、近年だと中国東北地方の料理がブームだろうか。日本各地に東北料理の店は存在するが、それらを一気にメジャー化したのは間違いなく「味坊集団」だろう。数々の人気店を作り上げたその実力は、かつてマニアックな料理だったものをここまでの地位に押し上げたことからも明白。まさにガチ中華界のスターと言える。しかし、ガチ中華ファンの中には洗練された雰囲気ではなく、とにかく現地そのものの空気感を味わいたい、という裏テーマをお持ちの方もいるはず。そんなマニア街道を突き進む人にオススメしたいのが埼玉県の西川口エリアだ。

 西川口駅を降り立った瞬間から鋭い人ならその違和感に気付くだろう。あれ? そこらじゅうから耳慣れない言語が聞こえてくるな、と。実はこのエリア、中国出身の在留外国人の数が全国トップクラスを誇っている、いわば本物のチャイナタウンなのである。横浜や池袋のように観光化されていない、リアルなチャイナタウンの姿がそこにはある。駅前の道を一本入ってみると漂ってくる、中国に行ったことがある人ならばわかる独特な香り。説明はしづらいが、茶葉と香辛料が混ざったような……。ああ、これこそガチだ、ガチ中華だわ、と思わされること間違いなし。

 西川口でも東北料理は人気で、中でも羊の塊肉を豪快に焼いて喰らう「烤羊腿(カオヤントゥイ)」や、丸焼きの「烤全羊(カオチュエンヤン)」など、東北スタイルの羊肉料理を食べさせる店が人気だ。筆者が圧倒的にプッシュしたいのが駅から少し離れた『小城』。たっぷりのスパイスで仕上げるラムの串焼きも最高だが、何しろ絶対に食べてほしいのがパン生地にラムや野菜を挟んだ「ラム肉パン」だ。日本で食べられるラム肉パンの中でナンバーワンだと断言! 周囲はみんな中国語で会話しているし、メニューに書かれた日本語はハチャメチャで怯むかもしれないが、これこそ「ガチ中華」のあるべき姿。ガチ中のガチを求める人はぜひ西川口へどうぞ。

「ガチ中華」を楽しむなら本で予習を

 「ガチ中華」と呼ばれる店のあるあるだが、とにかくメニュー数が凄まじく多い。正直、どれを選んだものやら……と、メニューを見るだけでも時間がかかってしまうこともしばしば。ならばある程度の情報は事前に入れておきたいというもの。ガチ中華を知り尽くした誰かのリコメンドが欲しいのである。そこでオススメしたいのが『新版 攻略! 東京ディープチャイナ 海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』(産学社刊)だ。東京ディープチャイナ研究会が推す店と料理の情報が豊富な写真とともに掲載されていて、眺めているだけでも、これ食べてみたい! という料理と出合えるはず。本でしっかり予習したらいざ出陣! 「ガチ中華」の激烈ディープな世界に身を委ねよう。

著/中村正人、碓井正人 編集/東京ディープチャイナ研究会『新版 攻略! 東京ディープチャイナ 海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品』(産学社刊)

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