一見上手なセーラー服少女のイラスト、漫画家の添削でなぜ激変? ディティールに宿るプロの技

 各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が急増し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。プロを目指し、ステップアップしたいと考えるクリエイターも増えていると思われるが、そんな“漫画家/イラストレーターの卵”の悩みに応える「添削動画」が人気を博している。

 なかでもYouTubeで15万人を超えるチャンネル登録者を抱え、注目を集めているのが、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。応募者のスタイルや長所に寄り添い、的確かつ愛のある添削が行われるため、クリエイターを目指していない視聴者からも人気が高い。普段は視聴者から寄せられた一見上手なイラストや漫画に対し、自身で手を入れながらポイントを解説し、“ビフォー・アフター”を見せるのが恒例だ。

 7月30日には「【イラスト添削86】すごくうまいのにここだけが…! 一見上手なイラストもプロが見れば…?」と題した動画が公開された。投稿者は雪宮さん(18歳)でプロのイラストレーターを目指しているという。セーラー服を着た女性が描かれていて、これを受けペガサス氏は「上手だと思います…! 基本的なことはすべて出来ていて、誰が見ても女性に見えると思いますし、ムードがあって良いですね」と称賛した。

【イラスト添削86】すごくうまいのにここだけが…! 一見上手なイラストもプロが見れば…?

 しかしその上でペガサス氏は以下のように指摘した。

「この絵の方はセーラー服を着ている。ということは中学生か高校生の学生ですよね。だけど、僕には35歳以上に見えるんです(設定は高校1年以上の女性とのこと)。周りにいる女性にも絵を見てもらったけど“メイクが古く見える”と言ってました」

 それから“どうして老けて見えるのか”を細かく言語化してから行った添削作業。元のイラストの良さを残しつつ、細かな部分を丁寧に修正していくペガサス氏の姿がそこにはあった。詳しくは動画を確認していただきたいが、おでこの広さや指の細さなど、ディティールを意識することで、見た目が若返った印象になった。

 元のイラストも完成度が非常に高く、大きく変更された部分はなかった。とはいえ、プロ漫画家が意識するポイントを赤裸々に明かしていた。投稿者はさまざまなアドバイスを受けたことで、大きな刺激をもらったことだろう。

 プロの漫画家がどういったところに意識を働かせ普段仕事をしているかというのを学べる本動画。気になる人はぜひチェックしてみよう。

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