一見上手な果物の水彩画、“おじいちゃん先生”が指摘したもったいない箇所とは?

 動画共有サービス・YouTubeで漫画やイラスト、そして絵画などの「添削動画」が賑わっている。その中でも、海外人気を獲得し順調にチャンネル登録者数を増やし続けているのが、水彩画家&絵画講師の柴崎春通氏が運営するチャンネル「Watercolor by Shibasaki」だ。チャンネル登録者数は128万人を超える(5月24日確認時)。

 柴崎氏は、1970年に和光大学芸術学科を卒業し、2001年には文化庁派遣在外研究員としてアメリカに留学。「The Art Students League of New York」等で水彩の研究を行っていたキャリアを持つ。決して作品を否定しない、穏やかな口調の講義は、見る者にとっての癒し時間にもなっているようだ。

 5月22日に公開された動画では、りんごやぶどうなどが描かれた「秋の果物」と題した水彩画を添削することに。37歳の日本人が描いたものだという。イラストを受け、柴崎氏は「しっかり描かれているね。それぞれ果物の特徴、置かれた籠なんかもしっかり特徴を、捕まえて描かれています」と絶賛した。

【柴崎の添削30】美味しそうなりんごやぶどうの静物画。おじいちゃん先生がお直しするとどうなるか? 

 確かに素人目にはとても上手な作品で、バランス的にもどこを手直しすればいいのか疑問だ。そんな中、柴崎氏は「籠に果物を盛り付けるところまではこの作者さんはすごく気にしていますよね。それはすごく良い。でもこれだけのものを描けたこの方の“もったいない部分”があって、それはこの画面の中にこれらをどう置くかというのを考えていない点です」と指摘した。

 そうして出来上がった柴崎氏のイラストは、一つ果物が籠から飛び出したり、画面いっぱいに果物が広がっていたり、ダイナミックスさが格段に増していた。まるで、目の間に果物があるような感覚をもらえ、すごく生き生きした作品に変化した。色も鮮やかなものになっていて、見るものの心を奪うだろう。

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