上手すぎる果物の水彩画、“おじいちゃん先生”の添削でどう変化? 作品と真摯に向き合う動画が人気拡大中

 動画共有サービス・YouTubeで「添削動画」が賑わっている。視聴者から寄せられた漫画やイラストについて、プロならではの視点で添削を行なうもので、素人ではなかなかわからない目から鱗の内容と、劇的なビフォー・アフターという視覚的な面白さが人気の要因だ。

 そんななか、水彩画を中心とした絵画の添削を行なっているのが、海外人気を広げつつある水彩画家&絵画講師の柴崎春通氏だ。柴崎氏は、1970年に和光大学芸術学科を卒業し、2001年には文化庁派遣在外研究員としてアメリカに留学。「The Art Students League of New York」等で水彩の研究を行っていたキャリアを持つ。

 4月24日に公開された「【柴崎の添削26】水彩で描かれた爽やかな果物の絵。おじいちゃん先生がお直しするとどうなるか? !」と題した動画では、50代の日本人から寄せられた水彩画を添削することに。そこには果物の「カリン」が描かれている。

【柴崎の添削26】水彩で描かれた爽やかな果物の絵。おじいちゃん先生がお直しするとどうなるか? !

 今回の動画では、柴崎氏が珍しくかなり悩みながら添削していた。作者の丁寧な描き方によって一見、直すところもなさそう。柴崎氏も「葉っぱの描き方も上手ですね。カリンの実もとても上手く描かれています。表現にも強弱がつけられている。あんまり描かない部分もあって、絵画的に工夫があります」とコメントしていた。

 その上で行った添削では、柴崎氏は主役となるカリンの実を思い切って一つに絞り、強調したい部分と周りの脇役となる部分の色味の調整を図った。「明・暗」をはっきり出すことで、より主役となるカリンの実の存在感が増していた。

 柴崎氏もかなり迷いながら作業していたが、視聴者からも「娘と一緒に動画を観ながら、『柴崎先生は、人の絵の直しをしている様で、自分も勉強している様だね 凄いね』と娘が言っていました」といった感想が寄せられていた。年齢を重ね、確かな技術を備えた上で、しかし常に添削する相手と作品に敬意を持ち、まさに学び直しているかのような真摯さで向き合っているのが、人気の要因かもしれない。

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