【漫画メシ】冷やし焼きそば、和風ケーキ、スタミナ料理……『こち亀』のユニークな料理(?)5選

『こち亀』ユニークな料理

 国民的人気を誇る漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)。人気の要因を考えると、破天荒な主人公“両さん”こと両津勘吉が生み出す、尖ったビジネスやアイテムの数々が印象的だが、実は一風変わった「料理」たちもよく話題に上る。本稿ではその一部を検証してみたい。

鍋で煮ないインスタントラーメン

 多種多様な味わいがあり、広く日本人に愛され続けているインスタントラーメン。お湯を入れるだけのカップラーメンとは異なり、沸騰した鍋にラーメンを入れ、好きな具を入れて食べるのがポピュラーな味わい方である。

 両津はそんなインスタントラーメンを取り出すと、「鍋で煮るのは面倒だから、直接丼で作ろう。初期型のチキンラーメンの食べ方だ」と言いながら丼にあけた麺を入れ、お湯と粉末スープを注いでいた。

 厳密に言うと両津が考えた食べ方というわけではないが、徹底的に無駄を省いた手法は「両さんの食べ方」として認識している人も多いようだ。

インスタントラーメンまるかじり

 こちらもインスタントラーメンについて、連載初期から中期にかけて登場した両津の同僚・股崎が実践していた食べ方だ。

 「インスタントラーメンは独身男の栄養素」と話す股崎は、部屋を訪れた両津に袋に入ったインスタントラーメンを渡す。全く調理されていないことに両津が驚いていると、袋から固まった麺を取り出し、粉末スープを麺の隙間にまぶして、そのまませんべいのようにバリバリと食べた。

 さすがの両津もその光景には「おまえ、そんなの食っててよく腹がおかしくならないな」と呆れ返っていた。

冷やし焼きそば

 カップ焼きそばを食べるため、湯切りをしていた両津。その際、流しに麺を落としてしまう。

 「カップの形状に問題があるぞ。お湯を捨てやすくし、親切に設計したつもりだろうが、全然親切じゃない。欠陥商品だぞこれは」と憤る両津は、流しに落ちた麺を拾って「熱いから水で麺を冷やしてから作ろう。なんか冷やし中華みたいだな」といいながら、カップ焼きそばの麺に水を掛けていた。

 両津はこの焼きそばを「冷やし焼きそば」と名付けた。今となっては湯切りの設計が進化して、流しに麺を落としてしまうこともほとんどないだろうが、昭和のカップ焼きそばを知る方の中には、同じような食べ方をせざるを得なかった人もいるのではないだろうか。

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