【ONE PIECE考察】「世界樹」はあのルーキーの再登場に繋がる? 北欧神話とエルバフの関係を紐解く

【ONE PIECE】北欧神話とエルバフの関係

※本記事は『ONE PIECE』最新話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。

 『ONE PIECE』ではエッグヘッドを出航し、初期に麦わらの一味に加入した6人は、ついに次の島へと上陸した。

 その場所は太陽神が管理する箱庭で、中には国を支える巨大樹「世界樹(ユグドラシル)」が。この「世界樹(ユグドラシル)」の名前は、北欧神話に登場する壮大な大樹を由来としている。

 果たして、「世界樹(ユグドラシル)」の名が持つ意味、北欧神話と『ONE PIECE』の関係とは何なのか。今回はワンピース研究家の神木健児氏に話を聞く。

「元々もしエルバフに上陸したら、北欧神話に関係する世界観になるだろうなと言われていました。以前からエルバフ関係の言葉に、北欧神話を彷彿とさせる単語がいくつも登場しているんです。例えばドリーとブロギーがエッグヘッドで繰り出した『太陽の盾(スヴァリン)』の“スヴァリン”は、北欧神話に登場する盾の名称です。元巨兵海賊団船長であるヤルルの名前も、北欧神話の登場人物から取っています。エルバフの王子・ロキなんかもそうですよね。そしてついに謎の島上陸後に『世界樹(ユグドラシル)』まで出てきて、いよいよ北欧神話感が満載になってきました。ルフィたちが暴れた際に、火事を見た人が『泉の水で消火しろ!!』と言うシーンがあります。実は北欧神話ではユグドラシルの根元に3本の泉があるとされており、作中の“泉”もおそらくこの3本の泉をモデルにしているのでしょう。北欧神話をなぞったストーリーになるとは考えづらいですが、リンクしている設定は今後も出てくると思います。漫画好きとしては、やっぱりワクワクしますよね」

 ついに登場した、謎の国を支える大樹。しかし、神木氏はある部分に違和感を感じたと語る。

「やはり気になるのは、以前シルエットで描かれたエルバフに生えていた巨木と、ユグドラシルが同じ樹なのかですよね。シンプルに比べると、最新エピソードで描かれたユグドラシルはかなり細いように感じるんです。しかも世界樹は箱庭の中にある一本の樹にすぎませんからね。この最新エピソードで描かれたユグドラシルは、エルバフに存在するユグドラシルの枝葉の1本に過ぎないのかもしれません。現に北欧神話のユグドラシルも、枝葉に多くの生物を宿していたとのこと。作中では、ユグドラシルに火が燃え移れば国が終わるとまで言われていました。ルフィたちが目を覚ました場所が、空島編のジャイアントジャックにあった島雲のように、ユグドラシルの枝葉にあるのだとしたら、その発言の意味もわかります」

 北欧神話においてのユグドラシルは、常軌を逸した規模の存在だ。

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