『僕のヒーローアカデミア』バランス最強なA組の精神的支柱・蛙吹梅雨の実力を考察

『僕のヒーローアカデミア』蛙吹梅雨の実力

※本稿は『僕のヒーローアカデミア』のネタバレを含みます。

 いよいよクライマックスを迎えた、「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気ヒーロー漫画『僕のヒーローアカデミア』。バトル漫画ではあるものの、登場キャラクターたちはさまざまな特殊能力「個性」を持ち、攻撃特化型のキャラばかりではなく、サポート特化のキャラにも活躍の場がある秀逸な作品だ。そんな中で、フロッピーこと蛙吹梅雨は、主人公クラスのデクや爆轟ほど目立った活躍はないものの、印象深いキャラである。今回はそんな「梅雨ちゃん」の魅力を掘り下げたい。

バランス最強の逸材

 まずは梅雨ちゃんの能力をおさらいしたい。その個性は「蛙」。「蛙っぽいことならだいたい出来るぞ!!さすが!」というザックリとした解説とともに紹介された個性ではあるが、「攻撃したり、味方を投げたりなど、器用にコントロールできる最長約20mの舌」「垂直な壁にも張り付ける手足」「驚異的なジャンプ力と重い蹴り技を可能にする脚力」「物を収納できる胃」「そこまでダメージはないけど、相手をピリッとさせる毒性粘液」「周囲の色に溶け込み姿を隠せる保護色」と、非常に幅広い。

 おそらく、能力を五角形のパラメーターで表すとしたら、優秀な生徒の多い雄英高校ヒーロー科1年A組の中でも最上位に食い込むほど、バランスに過ぎれた逸材と言えよう。これがゲームであれば、戦闘もサポートもどちらもできる“とりあえずパーティーにいれたいヒーロー”なのではないか。

圧倒的な冷静さ

 梅雨ちゃんが最初に活躍するのは、USJ襲撃事件編だ。1年A組はヴィラン連合の襲撃に遭い、そして黒霧の個性によって分断される。梅雨ちゃんは水難ゾーンに移動させられ、溺れかけているデクと峰田を救出して船上にエスケープ。ヴィランに船を囲まれ絶体絶命のピンチではあったが、デクの奇策によってピンチを切り抜けた。

 水フィールドということもあり、梅雨ちゃんが起点となってヴィランを退けたが、その能力の高さだけでなく、ビビりまくっていた峯田を尻目に常時冷静さを見せたのはさすが。リカバリーガールは「課題らしい課題のない優等生」「あの子の冷静さは人々の精神的支柱となりうる器」と称しており、その冷静さは学生にして、プロヒーロー顔負けと言える。

 また、13話でいきなり、「あなたの“個性” オールマイトに似てる」とデクに言ってみたり、USJをヴィランが押し寄せたことに「(オールマイトを)…殺せる算段が整ってるから 連中こんな無茶してるんじゃないの?」と分析したりなど、冷静さに加えて、優れた洞察力を持ちあわせているのも魅力である。

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