ゲーマー目線の攻略に、未来の戦術を持ち帰るタイムリープ……「週刊少年マガジン」の新作スポーツ漫画が面白い
未来の戦術で過去の強豪は倒せるのか?
『SECOND BREAK!!』は2021年12月から連載スタートした、稲木智宏によるバスケットボール漫画だ。主人公・小嶺望海は1話目冒頭、「NBAに行って世界最強のセンターになる」という夢を高らかに宣言するも、舞台は一気に9年後に進む。
望海は高校入学早々、プレー中の大怪我により選手生命を絶たれ、車椅子バスケの選手となっていた。そして選手としてではなく、コーチとしてNBAを目指すべく、日々バスケの研究に勤しんでる。
そんなある日の帰り道、幼馴染の青葉を庇って交通事故に遭う望海。長い走馬灯が駆け巡るなか、目を覚ますと2012年4月、つまりは高校1年生にタイムスリップしていた……という、1話目から怒涛の展開だ。
しかし、本作は決してハチャメチャなSF漫画ではない。「センターも3ポイントを打つ」「相手の力を受け流すスピンムーブ」といった2022年現在のバスケの常識を知る望海が、過去に戻って最新の戦術やプレイスタイルを駆使して再びNBAを目指すという、タイムリープとスポーツを掛け合わせた斬新なスタイルのバスケ漫画になっている。
『SECOND BREAK!!』はチート級の能力を持った選手は今のところ登場しておらず、「現在の戦術がどこまで過去の強敵に通用するのか?」ということを純粋に描く。タイムリープしても身体能力やセンスは変わらないなかで、変わるのは知識だけだ。スポーツにおける「戦術」の有効性のフォーカスした、気になる作品である。
どちらも連載して間もないため、今からでも十分に連載のペースに間に合う。ウェブ上で1話の試し読みもできるので、チェックしてみてはどうか。