一見上手な美少女キャラが背景を変えるだけで……プロイラストレーターの添削に驚き
SNSや各種アプリをはじめとするウェブサービスの拡充により、漫画やイラストを発表する場が増加している昨今。ウェブ発の人気作品/人気クリエイターも増えているなかで、YouTubeを中心に人気を博しているのが、プロの漫画家やイラストレーターの「添削動画」だ。一見とても上手に見える作品でも、プロの目から見ると改善点はあるもので、ステップアップを目指すクリエイターたちから添削の希望が殺到しているようだ。
そのなかでも、確かな技術&知識と細やかで親身なポイント解説で高い人気を誇るのが、「ポケモンカード(ポケカ)公認イラストレーター」としても活躍するプロイラストレーター・さいとうなおき氏だ。YouTubeのチャンネル登録者数は2022年1月現在で86万人を超えており、その動画は常に高い再生数を記録している。
1月16日に公開された動画『【気まぐれ添削81】背景と人物がなじまない時は!?』で取り上げられたのは、ペンネーム・カミダンさんが描いたオリジナルキャラクター「六花ちゃん」。さいとう氏が「ストーリーを感じる、ワクワクするようなイラストですよね!」と語ったように、躍動感のある、一見とても上手なイラストだが、本人は「背景とエフェクトを描くことが苦手で、キャラと背景に違和感が出てしまう」「アニメ塗りが好きだが、他の方のイラストと比べると見劣りするように思う」という悩みを抱えているそうだ。
さいとう氏はまず、カミダンさん自身が苦手と感じている背景とエフェクトをしっかり描き込んでいることに対して、「あえて自分の苦手分野に果敢に挑戦していこうという意気込みをひしひしと感じる作品です。最高ですね」と一言。それこそが絵が上手くなる人の特徴だとした上で、今回のポイントを「エフェクトのコツ」と定めた。今回寄せられたイラストも、「エフェクトさえ上手く使いこなせれば、5〜6倍くらい見栄えのするイラストに変化する」(さいとう氏)と宣言して、実際に添削がスタートする。
詳しくは動画をチェックしていただきたいところだが、さいとう氏は背景に描かれたスペーシーな空間のエフェクトについて、動きのあるキャラクターとのミスマッチを鋭く指摘。人物も背景も、目の置きどころがイラストの中心にまとまった「日の丸構図」を見直し、キャラクターを大きく、あえて集中線からずらしたポジションに配置した。さらに、集中線を直線的でなく、曲線的に描くことで、空間の広がりを印象付けている。その効果は映像を見れば一目瞭然で、プロイラストレーターの技術に唸らされる。