『SKET DANCE』がいまなお愛される理由は? アニメ放映10周年に寄せて"無個性な主人公”の魅力を考察
なによりも『SKET DANCE』が愛される理由は、無個性な主人公とその仲間がすべてのキャラクターの個性を尊重してくれるところにある。ボッスンは決してキャラクターの立った存在ではなく、劇中でも「地味」「主人公らしくない」とギャグ的に笑われている。しかしボッスンの最大の個性とは、常に相手の個性を尊重し、困っていたら手を差し伸べる、彼が持つ相手を敬うという気持ちにある。そんなボッスンに助けられた2人が彼に共鳴して生まれたスケット団。3人は常にもがきながらも誰かを助け、励まそうとしている。その姿に読者は胸を掴まれ、この作品を愛してしまう。
不安定ないまの時代だからこそ、『SKET DANCE』を読み返すと一層強く胸に響く。あらためて多くの人に読んでほしい作品だ。