デンプシーロール、カエルパンチ、飛燕……『はじめの一歩』実践で強い技は?
森川ジョージ原作のボクシング漫画、『はじめの一歩』。現在マガジンポケットで無料公開されるなどしており、根強い人気を持つ。
人気となった要因の1つに、作品に登場する必殺技の数々がある。今回はそんな必殺技と現実的目線で見た「強さ」について検証してみたい。
デンプシーロール
主人公幕之内一歩の得意技、デンプシーロール。頭を左右に動かしながら、フックを連発するという荒業である。「デンプシー」とはアメリカのプロボクサー・ジャックデンプシーのことで、彼がこのようなスタイルを最初に考案したと考えられている。
日本では元世界スーパーライト級王者の藤猛氏が使い手として知られ、ハードパンチで相手をなぎ倒した。頭を揺らしながらフックを矢継ぎ早に繰り出すデンプシーロールはスタミナを消耗する、空振りした際に隙が出やすいなどのデメリットもあるが、破壊力のあるパンチがあたった場合、相手に大きなダメージを与えることができると考えられている。
カエルパンチ
青木勝が相手をKOする際にたびたび用いていたのが、カエルパンチである。相手パンチをカエルのようにしゃがんで交わし、反動を利用してパンチを放つ。
カエルパンチは元世界スーパーウェルター級王者の輪島功一氏が開発したもの。輪島氏はカエルパンチを出したカルメロ・ボッシ戦について、具志堅用高氏のYouTubeで、「ボッシは本国で試合を決めていたらしいの。顔に傷をつけたら、次の試合ができないから、私を寄せまいとして、引き分けで防衛して帰ろうと思ったらしいの。で、どうにもならない。それで天下のカエル跳び(カエルパンチ)が出た。相手が怒って出てきた。それでパンチがあたって1ポイント勝った」と語っている。
物語では必殺技となっているが、現実のボクシングでKOを奪うのは、少々難しい。ただし相手を怒らせる、撹乱させる、状況を打開するなどの効果はあるようだ。
飛燕
はじめの一歩の登場人物のなかでも屈指の頭脳派と名高い真田一樹が得意としたのが、飛燕である。
手首に捻りを利かせてジャブの軌道を変えるパンチで、直線と思えば曲がる、曲がると思えわせて直線で打つなど、自由自在に軌道を操っていた。リズムを狂わせ相手を中間距離に釘付けにすることで、試合を有利に進めることが可能になる。
飛燕は肘や手首を痛める危険性はあるものの、フェイクを入れて距離を保つなど、パンチを当たるなどの効果は期待できるようだ。