『幽白』幻海&幽助、『NARUTO』ガイ&リー、『るろ剣』清十郎&剣心……ジャンプ漫画、最高の師弟は?

ジャンプ漫画、最高の師弟は?

 バトル漫画に修行やレベルアップは必須だ。そうなると高確率で登場するのが、「師匠」の存在である。師匠と弟子の絆は読者の胸を熱くし、作品に深みを与える。そこで本稿では、数々の大ヒットバトル漫画を輩出した『週刊少年ジャンプ』作品から、絆が光る師弟を4組厳選して紹介していく。

1.マイト・ガイ&ロック・リー『NARUTO -ナルト-』

『NARUTO -ナルト-(10)』

 『NARUTO』には多くの師弟が存在する。その中で1番暑苦しく逆境に抗ってきた2人と言えば、このマイト・ガイとロック・リーだろう。忍者でありながら忍術が使えず、努力を惜しまないまっすぐな性格のリー。そんな彼の奮闘に同じ境遇を辿ってきたガイが、何も感じない訳がなかった。

 ガイは自分の体術の全てをリーに叩き込み、一緒に前に進む。ときに彼には気持ちが昂ぶり、禁術「八門遁甲」を教えるいき過ぎた面もあった。しかしガイはリーが死の可能性がある手術を怖がれば、「オレが一緒に死んでやる!」と迷わず言ってみせる。

 天才・日向ネジの影で自信を失ったリーは、ガイに「努力の天才」と評された。そしてリーもガイの期待に全て応える。華やかさや爽やかさとは程遠くても、彼らはまさしく最高の師弟だった。

2.比古清十郎&緋村剣心『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-(9)』

 幕末の世で「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心には、1人の師匠がいた。その名も飛天御剣流継承者「比古清十郎」。もともと剣心は「心太」と名付けられており、農家の子供だった。しかし病で両親が命を落とし身寄りがなくなった彼は、人買いに捕まってしまう。そしてその人買いすら野盗に襲われ、殺されかけた心太を守ったのが偶然通りかかった比古清十郎だったのだ。

 作者から「全キャラクター最高の剣の腕を持つ」と語られた比古だが、彼には結局剣心に甘い部分がある。飛天御剣流の在り方で喧嘩し家出同然で比古のもとを離れた剣心。最初は彼を認めなかった比古だが、最後はしっかりと門外不出の奥義「天翔龍閃」を授けていた。また弟子のピンチであれば「甘ったれるな」と言いながらも駆けつけ、十本刀の不二を圧倒的な剣技で斬り伏せてみせる。

 育ての親である比古と剣心の絆は、師弟以上に固く熱いものだった。

3.オールマイト&デク『僕のヒーローアカデミア』

『僕のヒーローアカデミア(1)』

 憧れのスーパーヒーローであるオールマイトに認められ、個性「ワン・フォー・オール」を受け継ぎ修行に励むデク。ポジティブモンスターであるオールマイトと辛い過去からネガティブ思考が目立つ彼は、一見正反対のように見える。しかし彼らは心根は自己よりも他者を優先し平和を第一に考えてしまう、似た者同士だった。

 デクは幼少期にオールマイトが笑顔で人を救う動画を観て以来、彼に憧れ心酔している。そしてオールマイトもデクのヒーローに憧れる気持ちや正義感を買い、彼を次世代の平和の象徴にせんと育て期待した。オール・フォー・ワンとの戦いを経てボロボロになったオールマイトが、デクを指差し未来を託すシーンには身震いした読者も多いだろう。

 オールマイトとデクは、もともと共に無個性でヒーローを目指していた過去がある。期待し育てる元スーパーヒーローと、それに全力で応える未来のスーパーヒーロー。正義に裏打ちされた彼らの絆は、唯一無二だ。

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